第7話 夢の中でも貧乏人の俺



夢を見ているときは、眠りが浅いときと聞いたことがある。

昨晩は仕事の疲れをとるために銭湯に行った。銭湯で44度の熱湯に浸かり、体を温めてから、水風呂に入る。すると、体の疲れている処、特に手首足首、体の節々とどこか疲れがたまっている処がジンジンしてくる。その温水浴を五回ほど繰り返して、体の疲れを取った。そして、家に帰るなり、早めに就寝した。疲れから眠りは深かったと思うも、鮮明な夢を見た。それはスポーツジムで久しぶりに二十代前半の頃バイトしていた同僚の仲間と再会したのだ。その人は人気のSNSアプリの開発者にして創業者になっていた。バイトしているときは、そんなそぶりは全く見せていなかったのに、その人と話す会話を聞くと、洋書を読み漁って独学で勉強してつくったとのこと。そんなそぶりはバイトをしていたころには全く見せなかったのに。それが今では億万長者。スポーツジムの女性も彼を取り巻き、駐車場に止めてあるスポーツカーはどうやら彼の車だった。外見は変わっていない。ただ変わったのは俺の彼を見る目だ。明らかに格段に上を行く。いやバイトの頃から何も変わってない俺には彼は次元を超えた。何も変わらない俺は引け目を感じずにはいられなかった。そして、目が覚めた。

この夢は何も変わっていない自分への戒め・・・

変わらなくてはいけないという神の啓示・・・



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