下−33 1−A騎士団駐屯地お茶会


駐屯地お茶会は続く。


「ねぇA子、あんたのお友達って、今何やってんの?」C子。

「あー、、こっちの?」A子

「まぁ、王都の学校含めて。」


A子ら貴族や一般人でも富裕層の子達は、そういう者達の子弟が集まる学校に入ることが多い。

強制ではないが、入るともれなく?子弟世代のコネクション形成ができるのだ。そういう閉鎖社会に入れたくない親以外は、子供をほぼ強制的に入れていた。

A子の場合、武力、いや、武芸達者で特待生扱いだったのでびんぼでも寮費まで全部ロハで行けた。

ABCの3人共卒業生だが、在学中に面識はなかった。


「そーだなー、王都のは、ほぼ燃えたんじゃね?」A子

・・・・・・・・

「でー、こっちのは、、靴屋と農家と冒険者と、弱っちかったのにうちの騎士になった頑張り屋もいるなー、、、

あ、たいちょーー!!」

隊長が走ってくる。

「あのなー、マックいるか?鍛冶屋の息子のマック、、あいついたら悪いけど呼んでくれない?」A子

「は!承知しました!!」


「その弱っちかった奴だ。あいつならずっとここだから、皆何やってるかわかるだろ」A子

流石伊達に王都ギルドの職員やってなかった!!丸投げとか人をこき使うの上手い!!!

自分よりよほど使えるやつで信頼できる奴に丸投げするのが上手い投げ方。利権しか見てねぇどっかの国の公務員と政治家ども、A子の爪の垢煎じて飲めよ?


「どうよ?、原住民呼べば、なんかよくなる方法とかあるかね?」A子、皆を見渡す。

・・・・おめーも考えろよ、、


「まあ、、いろいろでてくるんじゃないかな?、外部の私達と内部の彼らが話し合えば」C子

「やってみないとわからないけどね、でもなんか出てくるとは思うけど」B子


アラタが言う

「基本的には、この1−Aを、短期、中期、長期で良くしていくようななにかを得たいわけですよね。

長期は人材育成は不可欠。この土地と社会を良くしたいという気持ちが必須です。


中期は、商業ですかね。外部との。短期の計画で増産できたものを貿易する。1−Aの天然資源があれば助かるんですが。でも資源が無くなったら終わっちゃうので、それに頼り切るのはダメですけど。


短期は、もろ増産。領民達が素直で勤勉だということはなんとなくわかりました。あとは正直さと聡明さがどの程度なのか?が重要になります。」


「あー、そこらへんはダイジョブかな?正直つーか単純?ヘーキでウソつくやつとか見たこと無いな。居たらハブにされるし、というか、俺らはしてたね。タマーには居るから。」


「まぁ、、A子さんの周囲にはそういう者は近寄れなかった、ということでしょうかね」

舞田、、ど真ん中ストレートばかりだとホームラン打たれるぞ?


「あー、かーちゃんもそういうの嫌いだから、ここの金持ち連中もあれじゃね?そういう奴いたら居づらいんじゃね?」

金持ちっているんか?

「まぁ、外部と交流はあまりなさそうですし、、あってもここをどーこーしようという好き者もあまり居ないでしょうし、、出ていっちゃうでしょうねぇ、、」舞田


「ああ、かーちゃんがここに嫁に来て10年の間に、結構大店が出てっちゃったってなー。騎士団員も半分がよそ行ったってよ。」


「篩に駆けたんでしょうね、、聡明なお母様だ。」

「そーなのか?きっついおばはんな感じなんだがなぁ」


「誰がきっついおばはんだって?」

「・・・・・冗談だよ、、王都ジョークっていうだろ?」

A子の真後ろに来てた。

(俺の後ろを盗るなんて、大したばばぁだ、、)A子

ずごん!!

母親のエルボーがA子の脳天に!!!


目をむいて泡吹くA子。


やばいんじゃね?と、無言で回復を掛けるタカシ。

まじタカシさん居なかったら死んでるじゃね?と青くなるアラタ。


「あら、久々だから弱くなってるわねA子、、、そんなんじゃ王都にやった意味ないじゃない」


何言ってるんだろうこのお方は?

毎日がマジ本気バトルロイヤル家庭か?まじバロとか略しちゃうよ?


(A子の姉弟も凶暴なのかしら?)C子

(そういえば、家族のこと聞いたこと無いわね?)B子

まぁ、皆、若い頃ってのはあまり家族のことを友人に話さないけどね。


「・・・・っつ、、てててーー、川、渡りかけてたよ、、全力で、、、」A子

やっぱやばかったんだ、、


「おかえり。良かったわね。少しは鍛えなさいよ。

さて、皆さん、いろいろうちの領の事を考えてくださり、ありがとうございます。全面的に頼りますので、どうかよろしくお願いいたします。夫には何も言わせませんので。

景気が良くなって、あほうな事をしでかそうとしたら、事前にしばき倒しますのでご心配なく。おほほほほ!!」


で、後ろのメイドにもたせていた茶菓子の山をテーブルに置いて、ごめんあそばせ、とか言って去っていった。


「な?典型的な、、、(周囲を確認し、、)、おばはんだろ?」A子


皆こくこく頷くが、、

(典型的、ではないよな?かなり過激だよな)全員。タカシまでそう思うくらいだ。タカシはどうしてもオバハンという生物に勝てた試しがない。苦手意識も固定化しているかもしれない。

でもなタカシ、おねいさん、も、多分そのうちソレになるんだからな?克服しろよ?


「姫様!」

騎士の服着た同年代の青年が来ていた。


「・・頼むよ、、それはやめてくれ。」A子

「はい、承知しました姫様!」

・・・・・

天然??


「あー、学校の時みたいに呼んでくれ、、またあの時分の連中に集まってもらいたいし。」

「あー、、んじゃ、わかったA子。、、んんっ、、いらっしゃいませ皆様!。私城下町の鍛冶屋の息子でA子の同級生で、今は領主様の騎士をしておりますマックです。たまにウチの仕事を手伝ってるんで鍛冶もできます。

農具なら1日で作るので早打ちマックと呼ばれています。鍛冶屋の二つ名持ちですね、はっはっはっは!!!」


「A子の友人らしいね!」C子

「みんな、こんなんなの?」B子

「・・・どーゆー意味かわからんが、、、まともなのも居るぞ?」A子

わかってるんじゃん、、、



マックの席もタカシがストレージから出し、会合に加わった。

マックは話の中にほぼ必ず昔のA子のことを入れていた。確信犯だ。

てめーソレ以上言ったら締めるからなっ!!というA子の脅しにも

「はっはっは、だいじょうぶだ、慣れている!」サムズアップ♪ニカッつ!!

(慣れてるんだ、、、、、)全員


番長A子、その素顔が明らかになっていく。何の会合だったっけ?


(最も混ぜてはいけない奴を混ぜたんじゃない?A子)C子

(混ぜたら危険!!ってやつね、、、、でも良い手下だったみたいな感じだけど)

こういうんは鋭いよなB子


まぁ、良くない手下などA子の元には居られはしなかったろうけど。



その後、翌々日に集まってもらうことを決めた。

明日は先に領都郊外を見てみたいと舞田とC子。

「魔獣の森を見たい」とタカシとアラタ。

なので、明日は強化して走り回る一日になるだろう。



マックと別れ、一行は邸に戻る。

夕食前にA子父とタカシの模擬戦。

「一度勇者とやってみたかった!」と父


「タカシくん、一瞬でおわらせちゃだめよ。一応、A子のお父さんには”俺頑張ったんだ!”的な思いをさせてあげてね!」

とC子なりの注意をタカシに与えた。

アラタがやったほうがいんじゃね?と思うだろうが、やっぱよその勇者(草履)より自分ちの勇者(中央王国)とやりたいとA子父。

全部イサム傘下なのだから変わんないんだけどねー。



ーー



その頃のイサム。

食堂の隅で、夕飯前の茶をすすていた。

「ここんとこずっとここですねぇ、、」メフィ。

「ん?、、ああ、、面白くってなー、、、もうTVなんか見れないだろうなぁくだらなくって。やっぱリアルが一番おもしれーや♪」

見世物?


ちなみに、もう中敷きサンプルのテストは終わり、中敷き仕様のブーツを売り出し始めている。

一行には帰ってきたら褒美を出そうと思っているので「忘れないでね?!」とメフィにメモしといた。

イサムの脳の一部にされているメフィ。


草履から人員をそこそこ貰い、落ち着き始めた魔王城と防衛隊総本部の連中が、ちらほら温泉に入りにくるようになれた。やっと週末に休みがとれるようになった様子。

皆、休みというものに慣れていないのでぎこちないが、今だけだろう。またなんかありゃ、忙しくなるんだし。


西の国からも、あっちの防衛隊隊長に一緒に転移してもらって新王がたまに来る。

皆月に一度魔国で会合あるけど、それとは別にのんびり会いに来るのがいい感じな様子。


で、同時期に来た者達が懇意になったりし、それぞれの国と交流始めるようになったり。

イサムの目論見通り、自分らで勝手に良くなっていく方向進んで居る様子である。


ただ、忙しくなっているのが銀翼、銀猿。

仕方がないね。勇者レベルなんだから。若いんだから今のうちに経験積んどけ!って、イサムは発破をかけている。

ひどい顔になってきたらまとめて1−2週間強制休養に入らせる。


あ、ギルダーがなんか泣いていたけど、最初に草履から来た新人達が促成栽培でそろそろ使えるようになってきたんで敗戦国の件や第二陣の者達の教育も含めて任せ、やっとこの間久しぶりに温泉に浸かりに来た。

嬉しそうに露天風呂で酒をちびちびやってたのが、、なんか可愛そうな。誰かにギルダーの嫁探してもらおうかな?


ーー


1−A領

翌朝

領主邸の正門脇に、太筆でかかれた木の表札が。

高さ1.5m幅50cmほど。

”一之江邸”と。

表札である。


A子の提案に母親どころか父親も大乗り気だった。

侍が1−Aじゃぶち壊しだもんな?

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