下−06 西の国の新国王と


さて、面白いといえば、、

西の国。

がちがちのお硬い人間に見える新国王。

でも違う。


「ほんとに聡明なものって、頭やわらかいんだなぁ、、、、」

とイサムをしてほうけさせたくらいだ。


「好きなら同性でもいいんじゃないですか?」

「子供だって有能なら上に据えてみてもいんじゃないですか?驕ったらちゃんと言い聞かせればいいだけですし。」

「中間管理職は女性の方が資質在りますよ、使わない手はない。」

「基本的に種族は無視すべきでしょう。個人の資質のみで対応すべき、何事に置いても」


年齢性別種族など全く気にしない。


ただ、行き過ぎた技術だけは

「これは30年封印ですね、あ、これは100年封印にしておいてください、50年後に再度査定を。」

とか、

科学とか技術に関しては放置しない。


「使う者達は理解する必要が在ります。その良さと、与える悪影響について。それができないうちは公開してはなりませんね」


なので、

まぁ人材発掘するする、、

素材を見分ける見分ける!!

そういう見出した者達を、勉強のみならず、「人として立派になるべき」ということを基盤に育てていくから、

早ければ2年位で芽が出始める。


で、もうそういう人材が新人として各部に入り始め、中央王国にも「研修生」として来始めている。

「新人のうちに各国を転々とさせてみる」という。

その国に居着いちゃったら、それはそれで良いことでしょう。だと、、、

もう、、

王というより、すげー出来の良すぎる社長だよな?、いや、王の方が資質必要かw


なので、今はその新人達は銀翼・銀猿達によって訓練されている。総勢50名。

「中央王国は宗主国になるので、より多く学ばしてくれるでしょう。それを期待しているので多く送りました」と俺に言ってきた。

「まかせろ!」としか言えないよねこんな場合。

こいつが世界の王になってもいんじゃねーかな?とかも思う今日この頃。


ただ、俺もこの王も、「物価の上昇」だけには気をつけている。

賃金が上がるのはいい。が、物価の上昇は経済を崩壊させ、そして人心を壊す。

不治の病同様なのが物価の上昇。元の世界での上っ面だけ捉えてインフレって言ってたのとちょい違く、本来もっと根本的だ。


元の世界ではガキだったんで知らなかった。が、数十年、、あれ?合計100年くらいいってるかな?

いろいろ見てきた。勇者一回につき一カ国だけではない、数カ国。

なので実例で知っている。今はその理屈もわかっている。

が、そういう経験の無いこの西の国の新王が、それをわかっているってのが、すごいわけ!!!!


元の世界は数字で騙すことが多い。GDPとか物価上昇でごまかせる。補正値とかあるけど建前。

支配者にとって、物価上昇は良いボッタクリチャンス。それが継続的に続けば、最後に奴隷階層と僅かな数の支配層に自然に別れていく。

奴等が言う「自由」の結果がそれだ。


なので、俺が支配している現時点でそんなことはびたいちさせねー。

何しろ、モノが不足したら俺達がそこに不足しているモノを「転送」してやる。継続的にはしない。安定したらあとは善良な商人達に任せる。


西の新王は魔法こそあまり使えないが、人間として、王の能力として、それを発揮しまくっている。

密かに情も熱いし。みなにバレているけどね。


孤児達を積極的に魔国に送り出そうと各国に働きかけたのも彼だ。

人間の社会での孤児の地位は限りなく地べただ。だったら、孤児院出というのが信用になる魔国で出世できるほうがいいじゃないか。

力は魔人よりもかなり劣るが、脳がある、頭で闘えばいい。闘えない子がいたら、みなで守ってやればいい。とか。


結局、そのとおりになっている。



魔王と飲む時に、そういう話もする。

それから魔王も西の新国王に興味を持ち、もう何度が会っているはずだ。

聞いたら、、

「明日仕事なんで、あまり飲めない、、すまん」とか言って、毎回夜中には帰っちゃうんだよね、、」

とか残念がっている。


「まぁ、、下の者達が成長したら、時間もできて朝まで飲めるようになるだろーし、、、」と一応フォローしといたが、、、

あの仕事の虫は強制的に休ませなきゃだめだろうなぁ、、


「あれ?西の国の西って、何があるんだ?」俺

「あー、なんか海があるってったぜ?」魔王

「あ、だからタコイカか、、」

「あ?なにそれ?」

「うまいんだ!!」

・・・・行こうぜ?

「今から?」

「転移なら関係ないだろ?まだ夕方にもなってねーぞ?」

ワガママな魔王である、仕事はいーのか?


「おかーん!ちょっと魔王狩りてくぞー!」俺

魔王城で飲んでいたのだ。

朝からwwww


一応今日は魔王のお仕事のお休みの日になってるので、こんなことができる。


ーー


西の国

元王城の正門近くの蕎麦屋


「おばちゃーん、タコイカあるー?」

・・・・あ、とした顔のおばちゃん。

「あーあー、、ずっと前に来たあんちゃん!兵隊さん達、あのあとからみな来てくれているよ!」

おう、防衛隊のれん中のおかげで俺が覚えられているのか、、


「今日は違う友人連れてきたから。タコイカ食いたいって駄々こねてさ−!!」

「いやだね、イカタコだよ。運が良かったね、ちょうど今日水揚げあってねー多く仕入れていたんだ!」


それからイカタコ尽くしの肴、と、西の国の酒で始まり、俺の秘蔵の酒も出し、、おかみにも飲ませたら驚いていた。

「コレが酒?!!!」ってなー♪


あとから入ってきた客達もまじってもー何がなんだか状態で、、


気づいたら翌朝、、、


「あ、、」

「イサムさん、魔王様は返してもらいますね、これから仕事なので、、」おかん

魔王の襟首をつかんで引きずって転移して行った、、


「・・・魔王、、、かわいそ、、、、」

思わずつぶやいてしまった、、、

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