2019年10月8日 してはいけないことをする

 髪色を染めることには抵抗がある。いけないことだと思ってたからだ。なんでそう思っていたかは分からない。


 学校教育の中で「してはいけない」とされていたことをわたしは忠実に守っていた。


 幼稚園が福音自由のキリスト教だったせいもあるかもしれない。「するべからず」「してはいけない」という言葉に、無意識に反応してしまう。


 とりわけ嘘をついてはいけないという言葉にがんじがらめにされている。


 わたしは好きなように、自由にやりたいことをやりたい。性欲を爆発させたい。派手な髪型にしたい。


 でも学校社会はそうではない。

 男は髪を伸ばしてはいけない。耳にかかってはいけない。髪色を染めてはいけない。


 だからわたしは髪を染めてはいけないと思い込んでいた。


 でもそれは嘘だ。わたしはエロいことしか考えていない。髪も染めたい。愛されたい。壊れるまで抱きしめて欲しい。


 わたしは今日ブリーチをかけた。金髪になった。自分が一番してはいけないと思っていた色にした。


 今日わたしはひとつ嘘を解放した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る