イシ
*sora,
イシ 第一話
「これは警告である
これは決してふざけている訳ではなくこれから起きる事実だ。
お前には訳が分からないだろうが信じてほしい。
俺には正しい答えが分からなかったが、今すぐに行動を起こすんだ、いいな。」
ある日の午後、大学の講義を終え、家に帰りパソコンを開くと、不気味なメールが一通届いていた。
「俺へ」
俺は怪しいサイトに飛んだことは無いし、親しい友達以外にはアドレスを教えた事はほとんど無い。
何だろう?どこかでアドレスが漏れてイタズラでもされてるのか?乗っ取られたのか?
よく見てみると奇妙な事に、自分のアドレスから、さらには2ヶ月先の日付から送られていた。
少し考えてみたが、皆目見当もつかないのでその日は考えることをやめた。
次の日、大学の友達に昨日のメールの事を教えたが
「さぁ?そんなことが出来るなんて聞いたことないな」
その通りである、小学校の卒業式で書いた手紙が成人になると届くサービスや、投函して1年後に届く手紙などは聞いたことがある。
"自分のアドレスで未来の日付から送られてくる"
そんなことが出来るというのは一切聞いたことは無いと友人達は皆同じ事を言う。
その後午前中の講義が終わり、友達の中でも特に親しいヤツと合流した、コイツとは中学の頃からずっと一緒にいる。
ケンカもしたし、ゲームをしたり、お互いの家に泊まったり色々一緒に過ごしてきた、時々コイツは訳の分からない事をいう事がある、最初は意味が分からなかったが段々と慣れ、最近は気にしなくなっていた。
「未来から?そんなことがあったのか」
全くだ、迷惑なんてものじゃない、こんなことしたやつに怒りを感じている、とコイツに愚痴を漏らすと
「そうか、でもお前はまだその時では無いんだろうな」
あぁ、またいつものか。
コイツが不思議な事を言う時はいつも決まって目を細めながら妖しく微笑むのだ
だが、今回は少し違った。
違和感があったのだ。
脳に、胸の辺りに、四肢になんとも言えないもやがかかったような気持ち悪さを感じた。
突然
「なあ、 、 も 突 が ってさ…いや、何でもない」
上手く聴き取れなかったので聞き返したが「何でもない」とだけ返ってきた。
次の日からアイツは大学に来なかった、連絡しても通じない、何より不思議だったのは誰もアイツを覚えていない事だった。
一体アイツはどこに行ったのだろうか、家に電話しても繋がらない、そもそも住所が無かった。
まるで存在していた事が嘘のように
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます