白桃と白百合

@solyutt

第1話新しい家はほぼシェアハウス!?

短大を卒業してから1年が経とうとしていた。

都心に憧れ、田舎から上京して高層ビルが並んでいる。

誰しもが憧れる華やかな都会。

しかし、華やかでも実際は生活は辛い。

桃果はそんな生活の苦しさを感じていた。


彼女は、都心で働く一般事務職である。

思ったようなお金がたまらない。

都心の生活費は高い。

給料は極めて低い。

毎月ギリギリで過ごしていた。

職場では女子だらけであり出会いもない。

その前に恋愛する余裕すらない。

上司の顔色合わせなかなか帰れない。

仕事の付き合いで帰りが遅いのにその後女子会。

さらに上司から嫌われ常にボーナスカット。

そんな日々を送ってもポジティブで元気な桃果である。


しかし、家賃もそろそろ払うことが苦しくなって

もう3ヶ月家賃未納。


ある日、仕事終わって女子会でヘトヘトに疲れて帰宅したら

自分の荷物が全て外に。

部屋の鍵を急いで開けようとするも鍵穴変わっていた。

大家さんに尋ねたら

「もう三ヶ月も払っていないのに貸せるわけないじゃん。

規則に書いてあったよね?もう出て行って」

とあしらわれ追い出された。

荷物運べないし、どうしよう。

しばらく放心状態で立っていたがその後近くの公園の

ブランコに座っていた。


気がついたら隣に一人の男性がブランコに座っていた。

「どうしたの?こんな時間に女性が一人で公園とは」

「いろいろあるんです。そちらこそこんな時間に何をしているんですか」

男性はちょっと笑った。

桃果は警戒した。その男性はどうみてもみためがおかしい。

秋の肌寒い時期なのになぜか半袖短パンで浮き輪を片手に持っていかにも

南国帰り風であった。

「なんか警戒してない?」

「どうして涼しいのにこの格好なんですか」

「これ変?今リゾート帰りでまっすぐ帰るのいやでいつも行くこの公園で

休んでいた。そしたら君がいた。おかしくないでしょ。」

「リゾート帰りってそんなときに公園なんかよるんですか。上着持ってないですか。

もう帰ったらどうですか、風邪ひきますよ。」

「確かに。寒いな帰るか。君も暗いから帰りなよ。」

「‥わかりました」

ちょっと渋い顔をした桃果だった。

その顔をたまたま見ていたのか

「家ないの?」

「…」

察したかのように男性は言った。

「確かにこんな時間に女性一人でブランコなんかで下向いてないよな。

じゃあ決めた!君もシェアハウスのメンバーにならないか?」

「えっ」

桃果は迷ったが家もないしとりあえず住む所も見つからなかったからOK

した。




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