第184話つっぱり

 ちなみに「神の目」とは『プリズム』のことを指す(PRISM)。アメリカ国家安全保障局(NSA)などが2007年から運営する極秘の大量監視プログラムのことである。これには諸説あるが『マイクロソフト』、『グーグル』、『ヤフー』、『フェイスブック』、『アップル』、『AOL』、『スカイプ』、『ユーチューブ』、『Piltalk』、合わせて九つのウェブサービスを対象にユーザーの電子メールから文書や画像、通話などの情報が収集された。内部告発によりこの情報は世に出たが関与した企業はそれらを否定している。それにより『それ以外にどうやってそれを得たのか証明のしようがない』各国のトップレベルの情報をアメリカは得ていた。『プライバシーの権利』を多くの国のトップが主張した。アプリには『バックドア』(ウィルス)が意図的に仕込まれているものが存在する。それらはもちろんパソコン用ソフトも同様である。無料で使えるというものほど怖いものはない。




「おらあ!『藻府藻府』の検問じゃあああ」


 怒号が街にこだまする。少数精鋭の十代目『藻府藻府』が一人ずつに分かれ粋がった人間を狩る。


「ごるあああ!てめえ誰だよ!てめえなんざ見たことねえぞ!」


 『藻府藻府』のトップクを着た偽物を見つけぶん殴るもの。


「脱げ。パンツもだよ。おらあ!綺麗にたたんで正座しろや!」


粋がった人間をしめるもの。


「お前だよ。お前。ムカつく顔してんなあ」


 そして。


「ビンゴぉ」


「しーんーどーおおぉぉぉぉぉぉぉ!舐めてんのか!舐めてんのか!舐めてんのか!」


 『藻府藻府』ナンバーツー新藤の検問には比留間が。


「馬鹿が新藤!この人数相手に一人で勝てると思ってんのかあ!」


 パンパンパン!


「舐めてんのか!舐めてんのか!舐めてんのか!ごめんなあー。こいつは俺一人で殺す!邪魔すんじゃねえ!」


「比留間。間宮の飼い犬に成り下がったてめえじゃあ勝てねえよ」


「うるせえええええええええええええええええええええ!」


 相撲界にスカウトされそうな巨漢・比留間が低い体勢で新藤へ突っ込む。比留間は元力士である。格闘技・相撲はめちゃめちゃ強い。素早いデブ比留間。その攻撃に『弱』も『中』もない。すべての攻撃が『強』であり『凶』。繰り出されるのは下から突き上げる本物の『突っ張り』。


(はええな。こんなバカをどうやって間宮は…)




 『藻府藻府』の検問を眺めていたペアが二組いた。偶然にもその二組は新藤と比留間の戦いをそれぞれ違うところから。


「住友よ」


「はい。おやじ」


 一組は『肉球会』組長神内と若頭の住友。そしてもう一組は忍と軍紀。元『藻府藻府』の二人。

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