魔女の後継者（廃稿）

第4話 本物の魔女の右手

　達也とアイナは凶悪な視線を交わしたが、達也はため息をついて目が元に戻った。

「ああ。」

　アイナは彼のため息を聞いて、珍しい光景を目にしたようだった。

「なんで驚かないの？ 世間から嫌われてる魔女なんだけど？」

「と言いたいところだが！毎日夢の中に現れて、あなたが誰なのか教えてくれた！」

　それを聞いたアイナは手で口元を覆い、口角を上げて柔らかく笑った。

　達也も真剣な顔で見ていて、アイナは赤面して両手で頬を触った。

「私も少女なんですけど、そんなに真剣に見ないでくださいよ。」彼女は恥ずかしそうに言った。

　達也がまだ真剣な目で彼女を見ていると、アイナはため息をついて魔女に戻った。

「正直に言うと？」

「村雪有紀は嫉妬魔女の後継者だね。」

「知る。」

「何、知ってたの？」とアイナは目を見開いてショックを受けて言った。

　彼女はまだ彼が知っていることを信じていない。

「誰が言ったの？」

「有紀のおじいちゃん。村雪智。」

　アイナは「村雪智」という名前を聞いて、何かを思いついたが、達也には言わなかった。

　すると彼女は話題を変えて、達也の右手に指を差した。

「そして、あなたの右手は「彼女」によってあなたに与えく。」

「彼女？」

　アイナは達也の質問には答えず、続けた。

「あなたは私の強欲の後継者なので、それゆえにあなたは暗闇の右手を持っている。」

　達也は、今言ったことの意味を理解しようと、呆然とその場に立っていた。

　終わった後、達也はアイナに「あなたは私の...」

「あなたは私の後継者だ。強欲後継者。」

「それで、あなたが私の後継者になるの？」

　それを聞いて、達也は何も考えずに答えた。

「私は今、後継者になりたいとは思っていませんが、アイナと契約を結びたいと思っています。」

「おお~本当に魔女と契約するのか？」アイナは言った

　達也も邪悪な笑みを浮かべて、傲慢に言った。

「魔女が見た私でさえ、神を殺すことさえできる！」

　話し方までもが傲慢で、それがアイナに衝撃を与えて笑いを誘った。

「ははははははは！なんて面白いんだろう！」

「約束は2年後、2年後の今日2月10日です。」達也は二本の指を差し出して言った。

「私が後継者になります。」

　アイナは目を細めて達也に頷いた。

「そろそろこの空間から抜け出して救われてもいいんじゃないかな？」

「亮二を救うのを忘れるところだった。」

　達也は亮二に駆け寄ってから、立ち止まってアイナの方を向いて言った。

「ありがとう、バイバイ。」

　達也がそう言った後、亮二を抱きかかえたまま振り向いて逃げ、ゆっくりと闇の中に消えていった、今度はアイナが本当に怖がっていた。

「2年後には大山の洞窟でお会いしましょう。このスペースを出たら、あなたにサプライズを用意していく。」アイナは大きな声で言った。

　そう言って、アイナは別人に変わったかのように優しく言った。

「600年前のあなたを祝福しくように。」

　彼女は目を閉じて祝福の手を組み、目を開けて立ち去る達也の背中を見て、最後に悲しげに心から微笑んだ。

　冷たい灰色の世界が薄れ、空が赤く染まり、再び世界が動き出す。

　「バン！」

　優子が弱々しく地面にひざまずくと、ケン・タウルスの足が地面にぶつかり、目尻から涙が流れ出そうになった。

　後ろの誰かが頭を叩いて、優子は振り返った。頭を上げろ

「桐谷！」

　達也を見た優子は涙が流れず、気絶した男を抱きかかえているのを見て、亮二を地面に寝かせた。「京、亮二を見ててくれ！」彼はこう言った。

　達也も一歩前に出て、右手は暗い右手になったが、普通の人間と同じ大きさになり、微笑んだ。

「何がしたいの？」

「京、ドアを開けてください。あなたは亮二を連れて、先に帰ってください。」

「君はどうだ？」

「打ったら帰る。」

　優子は霊符でドアを開け、亮二がドアを通るのを手伝う。

　彼らの出発は、戦いの始まりを意味する。

　達也は飛び上がってケン・タウルスの頭上に飛び乗り、右手を後ろに回してエネルギーを集めてから言った。

　「強い拳！」

　真っ暗な右手がケン・タウルスの頭を叩き、ケン・タウルスが地面に倒れ、達也は無事に着地しった。

　達也がドアを通る準備をしたとき、彼は振り返って、床に倒れているケン・タウルを見て言った。

「これが強欲の右手です。」

　そして、強欲の右手を片付け、振り返り、ドアをくぐって現世に戻った。