やまない雨

勝利だギューちゃん

第1話

今日も、外は大雨と風が激しい。

まるで、地球が号泣しているようだ。


「何がそんなに、悲しいの?」


部屋の窓から、降りしきる雨を見る。


今の人間の現状を見ていると、地球も悲しくなるだろう・・・

人間だけではない。


動物の世界は、弱肉強食。

でも、動物は身を守るために、逃げる事が許される。


でも、人間は許されない。

逃げようものなら、「それくらいで」とか、「弱虫」とか、馬頭される。


時々思う。


「絶対に、誰かが糸を引いている」と

私は、嫌われ役なのだ。


《本当に、そう思う?》

どこからか、声がした。


《私は、雨の精》

「雨の精?」

《うん。あなたの言う通り、今、地球は悲しんでいる》

「やはり、人間に?」


雨の精の姿は見えない。


《私は、あなたが見ている姿が、正体だよ》

「水が正体ってこと?」

《うん。単刀直入に言うとね》


なぜか、説得力があった。


《あなたは、今はひとり。それは認める》

「認めるんだ」

《でも、あなたは、今、あなたの周りにいる人の、仲間になりたい?》


思い浮かべてみた。


周りの人は、共通の嫌いな人をみつけ、それをバカにし合い、いじめる事で、友達を作っている。

正直、うざい。

それが、本音。


《人間なんて、そんなもの。あなたは、そんな人間に背をむけた》

「そんな、いいものでは・・・」


《あなたは、今のままでいて。いつか、あなたを必要としている人に出会える》

「どうして、そんな事が?」


《やまない雨は、ないんだよ》

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やまない雨 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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