俺はラブコメなんて求めていない.(?)

波多野souta

第1話 初登校…

 高校入学からはや5ヶ月近く経った。この学校生活を俺は一部を除いてかなり満喫しているつもりだ。特に昨日までの夏休み…終わってしまった事に少し、ほんの少し寂しさを感じる。

 

 ちょっと前までは高校の夏休みは中学の時より長いんだろうなと思っていたが全然そんな事無かった。むしろ部活動の時間が長くて中学より休んでいられる時間は少なかった。くそ、こんな事なら帰宅部に入るべきだった…。

 

 中学の時に楽しかったからといって高校でも楽しいものだと勘違いしていた。きつい、ただきつい。拷問と言っても過言じゃない。普通あんなに練習日数入れるか?ほぼ毎日だったし。しかもだいたいは10時間位やらされたしな…。これイジメだろ!顧問とコーチは屋根の下で涼みやがって。絶対許さん‼︎


 今度ミスしたフリしてボールでも当ててやる。

 

 こんな事を考えてしまう程うちの高校のソフトテニス部はブラックなのだ。やっぱ夏休み終わってくれて良かったわ。

 

 夏休み明け初めての登校は昨日までのブラックな部活の愚痴で埋もれてしまった。これが社畜になった時の気持ちなのだろうか?でも自然と慣れて行くんだろうな…。

 

 駅から出て学校へと向かう。大体走って1分歩いて4分位なのだがうちの学校は全校生徒が約2000人おりそなうちの7割が電車登校なのでいつも学校まで長蛇の列が出来る。だから自然と走るという選択肢は消えてしまう。

列に並んでいると自然にテニスコートが目に入る。


「は〜」


 自然とため息が出る。というかため息しか出ない。部活動の時間が減るとは言え休みも終わっているのだ。

 授業が終わった後に部活やったら夏休み中とあまり変わらない気がする。校門の前で一礼をして学校に入る。うちの高校は大体土足なので楽で良い。

 ついでに部活も楽になん無いかな〜。誰かが倒れてしまったら訴えてやろう。うんそれが良い。

「あ〜帰りたい」

心の声が漏れていたが俺は気づいていなかった。皆同じ気持ちだろ?夏休み明けの登校とか怠くてしょうがないでしよ?


「おはよう‼︎」

 

 後ろから元気な声が聞こえてきた。まあ俺に対しての挨拶じゃないだろうと思い気にせず歩いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る