第53話えふてぃーゆーだよ!いくらちゃん

「あ、いくらちゃん。ちょうどよかった。いい皮膚科しってる?」


「はーい。この辺なら商店街はずれの〇〇皮膚科がお勧めですよ。どうかされましたか?ばーぶー」


「いやさあー、肌がかぶれちゃってさー。市販のステロイド外用薬は高いじゃん?」


「はーい。病院に行った方がお薬も保険で安いですし、適切な治療法をアドバイスしてくれます。ばーぶー」


「ちなみにいくらちゃんは『えふてぃーゆー』って知ってる?」


「はーい。『ふぃんがーちっぷゆにっと』のことです。軟膏やクリームの塗る分量のことです。ばーぶー」


「よく知ってるねー」


「はーい。大人のひとさしゆびの先から第一関節までくすりを乗せた量で口径が5ミリ程度で1FTU=0.5グラムですね。ばーぶー」


「へえー」


「意外と多く塗れば効果があると思いがちですが決まった分量以上は効果ないんです。ばーぶー」


昔は医学部を目指していたいくらちゃんであった。

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「それいくらちゃん」 工藤千尋(一八九三~一九六二 仏) @yatiyo

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