第13話好きなのかい?いくらちゃん

「大将。ちゅうとろとイカ握ってくれる?」


「へい!お連れさんは?」


「いくらちゃん。どんどん食べてよ。今日はぱちんこで勝ったから奢りだからさー」


「はーい。それでは『カツオ』を握っていただけますか。ばーぶー」


「へい!『カツオ』ですね!」


「へー、今日は『カツオ』あるんだー。大将、俺も『カツオ』握ってくれる?」


「へい!お先にちゅうとろ、イカになります。こちらが『カツオ』になります」


(もぐもぐ)


「すいません。『カツオ』いただけますか。ばーぶー」


「へい!」


(もぐもぐ)


「それでさー、お座りいっぱつで確変引いてさー。5万発だよー。16ラウンドに偏って周りの視線がすごかったよー。あ、どんどん食べてよ。いくらちゃーん。大将、うにといく…いや、えんがわ握ってくれる」


「すいません。『カツオ』いただけますか。ばーぶー」


「あれ?いくらちゃん。さっきから『カツオ』しか食べてないじゃん。『カツオ』好きなの?」


「はーい。・・・・・・。話せば長くなりますがお話した方がいいでしょうか?ばーぶー」


「え?面倒くさいのはいいや。大将、生おかわりね。いくらちゃんもグラス空いてるよ」


「はーい。それじゃあ生おかわりお願いします。あと『カツオ』お願いします。ばーぶー」


人にはそれぞれ背負っているものがあるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る