第9話ぼったくりばーだよ!いくらちゃん
「お店お探しですか?」
「あ、ちょっと飲めるところを」
「おひとり様3000円で飲み放題ですよー。かわいい女の子と飲めますよー」
「どうする?いくらちゃん」
「はーい。ひとり3000円で飲み放題なんですよね?ばーぶー」
「はい!3000円ぽっきりですー!」
「じゃあ1時間だけ軽く行きましょうか。ばーぶー」
「こちらです!」
~お店にて~
女の人「今日はどっかで飲まれてきたんですか?」
「いえ、打ち合わせの帰り道でして。キャッチのお兄さんに声をかけられましてね。ばーぶー」
「あー、そうなんですか!わたしも一杯いただいてよろしいですか?」
「どうする?いくらちゃん」
「はーい。先ほど、きゃっちのお兄さんは『ひとり3000円ぽっきりで1時間飲み放題』と言ってましたが、あなたの分は別料金ですよね?ばーぶー」
「え、あ、えーと、いや、別料金ですけど安いですよ」
「はーい。あなたのドリンクは一杯いくらですか?ばーぶー」
「そ、それはちょっと確認してみないと、、、」
「はーい。それはちょっと明朗会計ではないので怖いですね。あなたには飲ませません。ばーぶー」
「おつまみどうぞ」
「はーい。これも別料金ですよね?ばーぶー」
「そ、それはちょっと確認してみないと、、、」
「あと、僕たちのドリンクに『氷』は入れないでください。『お水』も使わないでください。飲み放題『3000円』で飲める分だけでしっかりお願いします。ばーぶー」
「(いくらちゃん?ちょっと用心しすぎじゃないかい?)」
「(だめですよ。油断しすぎです。『てーぶるちゃーじ』とか『たっくす』とか他にも盛ってきますよ。ばーぶー)」
(おねえさんも飲まず食わずでくらーい1時間が経過)
「あ、そろそろお会計お願いしますー」
「少々お待ちくださいねー(こいつらせこいなー、ぶつぶつ)」
「お会計はこちらになります」
『26万8000円』
「い、い、いくらちゃーん。どうする?」
「はーい。やっぱりですねー。ちょっとおねえさん、責任者呼んでもらえますか?ばーぶー」
(怖そうな人登場)
「どうされました?」
「はーい。きゃっちのお兄さんからは『ひとり3000円で1時間飲み放題』と聞いてますがこの『26万8000円』はどーゆーことですか?ばーぶー」
「あ、明細通りですが」
「はーい。『てーぶるちゃーじ』が10万ですかー。『さーびす料』が8万ですかー。お前じゃ話にならんわ。もっと上のもん出してくれるか?ばーぶー」
「お客さーん、さっきから何を・・・!い、いくらさん!」
「はーい。ばーぶー」
「大変失礼しましたあ!!!お代は結構ですので!!」
「はーい。ひとり3000円だから6000円は払いますよ。ばーぶー」
「い、いえ!本当に結構ですから!!」
「てんちょー、何びびってんのー?」
「お、お前は黙っとれ!!すいません!この女は何も知りませんで」
「はーい。私の6000円が受け取れないと言いますか?ばーぶー」
「ああああああああ!いえ!それでは6000円だけいただきます!!!ご利用ありがとうございました!!!」
「はーい。それじゃあ帰りますか。ばーぶー」
「い、いくらちゃん・・・。君は何者なんだ・・・」
「はーい。ただのふりーたーです。ばーぶー」
それいくら(37歳)独身。数字に強いだけではなさそうである。
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