第1話 黒木 真
朝4時、男の目覚めは早い。
アラームが鳴ると同時に目が開く。
先ず、始めにすることはもちろん昨日した勉強の内容を覚えているかの脳内復習である。
「・・・・・・よし。完璧に覚えていますね」
勉強の効率を高める最適な時間は6時間と聞きますが、トレーニングすれば3時間にまで減らせるものなのですね。
そう!
この男、毎日3時間しか寝ていないのである!!
レム睡眠とノンレム睡眠は1.5時間おきに入れ替わる。
そして記憶を定着させるには最低2回分のレム睡眠が必要なのだ。
しかしこの男、黒木 真は睡眠すらコントロールし、わずか3時間で2回のレム睡眠を行っているのである!!
黒木は机に置いてある黒縁のメガネをかけリビングへと向かう。
━━━━━━━━━━━━━━━
「おはようございます」
「あら真、もう起きたの?今日は入学式だってのにいつもと同じ時間なのね」
「今日は早く学校に行ってもう1度校内を回り、場所の確認をしようと思っています」
「もー!そんなに頑張らなくてもいいのよ?」
「いやしかし、校内を完璧に覚えているのといないのとでは今後圧倒的な差が生まれてしまいます」
「そーなの? なら早くご飯作るわね!」
「ありがとうございます」
この女性 黒木の実の母親なのである!!
夫を早くに亡くしてしまい女手一つで育てているのだ。
そしてこの男、黒木に気を休める時間などない!
母親が朝ごはんを作っている間に顔を洗い、歯を磨き次に髪を洗う。
男たるもの、ただ勉強が出来るだけでは社会で通用しない!
清潔さも必要なのである!!
黒木が髪を乾かし終えると同時に
朝ごはん!完成!!
朝ごはんはもちろん 、
オメガ3脂肪酸が入っているクルミ入りジャーマンポテトに
ビタミンB1が豊富な豆腐、
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(イコサペンタエン酸)が豊富なイワシの煮付け、
そしてブドウ糖が豊富に入っている米
そう!米である!!
「お母さん、いつもありがとうございます」
「感謝されることなんてしてないわ。真が頑張ってる姿を見ると私も頑張らなきゃって思うの!」
「では、いただきます!!」
しかしこの男、ただ食事をするわけではない!
同時に英語のリスニングをしているのである!!
速さはもちろん通常の4倍速!!!
━━━━━━━━━━━━━━━
「ご馳走様でした」
そう言って黒木はリスニングをかけながらもう一度歯を磨いた。
物事を成功させるために、歯の綺麗さは必要不可欠なのである!
黒木はそれを重々理解している。
歯を磨き終えると
次は髪のセットである。
しかしただ髪を洗うだけではいけない。
きっちりと整えてこそ完璧な男なのである!
髪型はもちろん七三分け!!
そう!
この男、生まれてから16年間いついかなる時も七三分けヘアーなのである!!!
髪を整え終えると服を着替える。
服はもちろん学ラン!
ブレザーや私服など以ての外なのである!!
黒木は慣れた手つきでボタンを止める。
1番の難所である詰襟のホックもいとも簡単に止めることが出来るのである!!
着替えが終わると同時にリスニングも終わる。
今までの行動が全て1分1秒違わず
この男、黒木真の朝のルーティンなのである!!!
「では、行ってきます」
「行ってらっしゃい!気をつけてね」
黒木は母の見送りを背に
異能力勉強 @Midnight_Hype
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異能力勉強の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます