キミが消えた日

朏 天音

プロローグ

あの日濡れたキミは震えてえいて、ひどく心配した。

キミと二人で歩いた道は心地良くて、キミの気持ちに気付いてあげられなくて。

キミはいつも笑顔で、これで良かったのだと思わせてくれた。

それでも結局、キミは救われなかった。

どうして僕を残していったのだろう。

僕はあの時、キミにどうして上げられたら良かったのだろう。

教えてくれるキミはもういない。

セミが鳴き、太陽が暑く照らす夏の日。

今年の夏もまた僕はキミを思い出す。

これは、キミが消えたあの夏の日の記憶だ。

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