ヨモギの花言葉は「決して離れない」

どうもスライム道です

とりあえずやる気のあるうちにどんどん書いていくつもりです

最近は現大陸のクエストが忙しい!

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「遅くなちゃったな」


時間は既に7時を過ぎていた。一応一人暮らしのため夕飯は自分で作らなければいけない。


「今日は作り置きも無いしな……お惣菜でも買おうかな」


そんなことをつぶやきながら学校からスーパーの近道である裏路地を通ろうとしていた時、銀髪の少女が見えた。


「甘夏さん?」


彼女は振り向くと驚いたようにしてこちらを見た。


「華道さん学校ぶりですね」

「甘夏さんこそどうして夜中のこんなところに?」

「ああ、私こちらでは一人暮らしなんです」

「珍しいね」

「珍しいですか?」

「学園に通ってる人のほとんどは送迎が多いんだよね」

「そうですかもしかして華道さんもスーパーに?」

「うんそうだよ僕も一人暮らしだからね」

「じゃあ一人暮らしの先輩ですね」


彼女は目をキラキラさせて話してくる。そしてスーパーの通りに出てくるときに事件は起きた。


「「ッ」」


何者かに口元を押さえつけられたのだ。もがこうにも何もできず意識が遠のいていった。


◇◇◇◇


気がつくと倉庫の中に居た。


「……ここは?」


ふとあたりを見まわすと隣に甘夏さんがいた。


「ん……手が縛られてる?」


彼女の手が前に縛られているところを見て自分も手が前に縛られていることに気が付く。


『坊やの方から先に起きたみたいだぜ』

『こいつは金になるのかね』

『なろうがなるまいがどちらでもいいさ。どうせならなかったらならなかったで逃げる時の人質にすればいいんだから』

『ねえオジサンたちって軍人?』


「「「「ッ」」」」


英語で話していた誘拐犯と思われる人物たちに衝撃が走った。英語


『坊や、英語は喋れるようだけど立場はわかっているのかい?』

『うーんでもそこのお姉さんも軍人だよね。FMJ弾にアメリカ軍の採用しているアサルトライフルで統一されてるしもしそれで俺に向かって銃を……』


パァン


「うぐぅ」


女の誘拐犯が銃弾を放ち蒼汰の肩を掠めた。


『これに懲りたらもう私たちに余計な詮索をしないべきだね』

『おいAなるべく人質を傷つけるな』


「うぅ……ここは?」

「あ、甘夏さんおはよう。俺たち誘拐されたみたいだよ」

「みたいだよって」

「俺も誘拐犯と話してたら銃弾撃たれちゃったよ。日本で体験できるなんてある意味ラッキーだね」


そういって甘夏さんに傷口を見せる。傷口からは生々しいくらい歪で絶え間なく血が流れていた。


「なかなかにポジティブですね」


苦笑いしつつも華道の傷を心配そうに見つめていた。


『事情の説明は済んだかいboy』

『そうですね。あ、止血したいんで手当てしてもらえません』

『あいにくここに治療器具はない。せいぜい我慢するんだな』

『残念』


いかにも残念そうに肩をすくめる。


『華道さん、私に手伝えることはありませんか?』

『あーそっか英語の方がしゃべりやすよね』

「あ、すいません。日本語の方が良かったですね」

「とりあえずハンカチを当てるにしても傷口の消毒はしたいからとりあえず民間療法に頼ろうかな」


そういって誘拐犯の方に目を向けると話しかけ始めた。


『ねえおじさんそこに生えてる植物取ってくれる?』

『ん?あれか何に使う?』

「えっと甘夏さん消毒ってなんていうの?」

「私の方で翻訳します」

「じゃあおねがい。傷の消毒にヨモギを使いたいって言っておいて」

『傷の消毒にヨモギを使いたいそうです』

『ヨモギ?なるほど日本の民間療法か。いいだろう』


誘拐犯の男はヨモギをもってくる


「センキュー、じゃあやっちゃうか」


蒼汰はヨモギを口に含み傷口にペッと吐き出した。


「甘夏さんこれハンカチで縛って」

「はい」


甘夏さんは手を縛られながらも一所懸命に傷を縛ってくれた。


「いやあしかし困ったね新学期の学校生活初日に襲われるなんて」

「華道さんを見ているとそこまで困ったように見えませんが」

「そうかな?これでも怖がってるんだけどね」

「華道さん今この状況をアトラクションかなにかかと思っていませんか?」


甘夏さんはジトっとした目で俺を睨んできた。美少女のジト目はご褒美というけれど俺は好きじゃないなあ。2次元以外は


「思ってないよ。ただ今日作業したかったことができないくらいにしかね」

「作業ですか?」

「俺一応動画配信で稼いでる人だから」

「なんの動画を配信しているんですか?」

「まったりっていうソフトを使ったゲーム実況動画を上げてるんだ」

「へえ凄いですね」

「凄くはないよ。稼げるようになるまで2年はかかったしね」


花屋のネット注文を行うために買ったパソコンのスペックでは処理が遅すぎるという理由で新しいものに買い替えるときにその古いパソコンを譲り受け始めた動画配信であったがこれがなかなかうまくいかなかった。家庭ゲーム機をパソコンと繋ぐゲームキャプチャを貯めてきたお年玉を全て叩いて買い。いざゲーム実況をやろうと思えばパソコンのスペックが低すぎてライブすらロクにできない始末。なんとか無料ソフトでできるまったり実況を始めたものの一本の動画を作るのに編集だけで丸1日かかる状態でそこまで視聴されることも無かった。


「大変だったんですね。あ、そういえばヨモギっていうんですねこの野草」

「そういえばヨーロッパで過ごしていたんだっけそれなら知らないのも当然かもね」

「そうですね私はヨーロッパ各地を転々としていたのであまり仲のいい友達もおらず日本で生まれた時に最初にできた友達に色々教えていただきましたが野草の種類だったり花言葉は教えてもらえませんでした」

「そういえば家で花を買ってたんだっけ?」

「花ではなく種ですけどね初心者だからと言われてアサガオを進めていただきましたが」

「そっか」

「生きてここから会えたのならアサガオを友達にあげたいですね」

「うん、それがいいと思うよ」

「そういえばヨモギの花言葉はなんですか?」

「ヨモギの花言葉は「幸福」「平和」「夫婦愛」そして「決して離れない」だよ」


それを聞いた彼女は思わず笑っていた。そして悪戯っぽい笑みに切り替えると


「ふふふ今の華道さん私の関係みたいですね。誘拐犯に捕まりながらも二人の間は「幸福」で「平和」そして「決して離れない」。面白いです」


そういって彼女は笑みをこぼし続けた。


『おいお前ら楽しい時間は終わりだ。お前らが懇願する撮影タイムの時間だぞ』


誘拐犯の無慈悲な声が響き渡った。

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花言葉

ヨモギ「幸福」「平和」「夫婦愛」「決して離れない」

ギリシャにヨモギの仲間がいますがハーブの女王と呼ばれるくらいには薬効が強いのが特徴です。しかしその側面恐ろしいモノでもあります。かつてヨモギを用いて火薬が創られた背景がありそのことを踏まえると平和は脆いというようなメッセージにもかんじられますね

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