「小説家になろう」の最大のライバルは「カクヨム」

 シミラーウェブ以外にもサイトのリサーチができるサービスを見つけた。Alexa(https://www.alexa.com/find-similar-sites)


 ここで「小説家になろう」を調べた結果、利用ユーザーが一番被っているのがカクヨム。作品の傾向とか見ても、まあ納得の結果だと思う。

 会員数は

 なろう…200万人くらい

 カクヨム…50万人くらい


 ランキングの傾向から見て、どちらも利用者は男性・10代~30代がメインではないだろうか。運営は特に10代を推したいのかなという気はする。

 カクヨムは後発だが追い上げが凄まじい。元々UIの得意な「はてな」チームが制作したとあって、UIはダントツに良い。コンテンツが「なろう」とモロ被りで、圧倒的にUIがよくて、収益還元もあって、出版社直営という強みもある。

 もはや、”先に始めたこと”以外になろうの強みがない。なろうの先行者利益が尽きるのも時間の問題か……。このまま行けば、なろうのユーザーがカクヨムに置き換えられるのでは。

 ユーザー層や目的が違えば共存は可能なので、他のサイトは生き残ろうと思えば生き残れる。


 この記事(https://realsound.jp/book/2020/02/post-505093.html)によれば、運営元の利益は

 なろう…2019年2月期決算(年間の決算)で売上高8億3百万円、利益金1億5308.4万円

 アルファポリス…売上高49億7789万円、当期純利益が8億4234.6万円

 エブリスタ…売上高13億6900万円、最終利益3億6900万円


 アルファポリスは漫画や出版事業の売上がメインらしいのでいいとしよう。カクヨムは、角川全体の決算はあるがカクヨム単体は分からない。が、角川の決算にカクヨムの話題が出ないことを見ると、角川の中でカクヨムは特に利益を生む存在ではないようだ。


 なろうは2億7千万の月間アクセスがありながら、利益がたったの1億5千万円! 同じ業態のエブリスタは遥かにアクセスが少ないのに、なろうの倍の利益。2億のアクセスというのはとてつもなく貴重な財産です。これだけユーザーがいればいくらでも利益に変えられるのに、宝の持ち腐れ。


 もしかして……もしかして……なろうの運営はビジネスが下手?

 すみません、自分偉そうなこと言える立場じゃないのに。でも会社HPとか見ても、会社を大きくすることに興味なさそう。

 そんなわけで、なろうはいずれカクヨムに取って変わられるであろう。



 カクヨムの欠点というか注意点は、作品群が若年男性向けに偏っているところ。特定の層に偏るのは仕方ない。万人が使えるサービスにするには、YouTubeのようにアルゴリズムで個人にそれぞれ違うお勧めを表示するような形式にでもしないと難しいだろう。

 この層向け(なろう系)の作品を書いている人は、なろうかカクヨムか、お好きな方をどうぞ。カクヨムはまだまだ伸びると思うから、なろうの使い勝手の悪さに辟易してるって人は、なろうから引き上げてカクヨムに移動してもいいと思う。



 余談になるが、カクヨムのUIではあえて画像を使わずにキャッチコピーをキャッチにしているところが好きだ。

 ユーザーが画像を自由にアップロードする形式だと、画像のクオリティがバラバラでトップ画面が汚くなる。それに、イケてる画像を用意できる作者とできない作者で、話の内容以外の部分で差がついてしまう。

 カクヨムのこの形式は、本屋で本を選ぶ感覚に近くて中々秀逸だと思ってる。

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