第184話砂漠越え
255日目
朝、ゾルスから被害状況を確認しましたが、死者はゴブリンが約800匹、ホブゴブリンが250匹との事です。
その他に負傷したゴブリン、ホブゴブリンも大体1000匹ほど居るとの事で、6000匹居たゴブリン軍団で動かせるのは約4000匹程度との事でした。
バルタからは回収した魔石や魔物の素材を受け取りますが、うん、絶対魔石の数と倒した魔物の数があって無いよね?
ていうかまたホブゴブリン増えてるし、なんかロードに進化してるゴブリン居るし、絶対戦いながら摘まみ食いしたよね?
そう思いながら回収した魔石約4000程と毛皮などの素材をアイテムBOXに収納した後、今後についてゾルスとバルタ、そしてカウア達に説明します。
まずは二ホン砦に負傷したゴブリンを帰らせて、その後ゾルスとバルタ率いるゴブリンは陣地で待機、カウア達ミノタウロスは影に入ってもらい、アルチ達サンダーウルフとラルに乗った自分で砂漠を越える段取りをします。
砂漠を越えるにあたって眠る場所は野営用の家があるので問題ないですし、夜間警護はアルチ達サンダーウルフとカウア達ミノタウロスが当たる事で安全を計ります。
「それでは、マサト様が砂漠を越えた後に転移魔法でゲートを開いて我々が移動するのですな」
そうゾルスが口にしますが、今回の目的は一応偵察なので、場合によってはそのまま帰って来ると伝えておきます。
その後、指揮所に向かいダダルインさん達に出発する旨を伝えて、ラルに乗って砂漠を走り出します。
ラルを中心に輪形陣を組む様な形でサンダーウルフが周囲を固め、全力で砂漠を走り抜けます。
昼間の砂漠は暑いと言いますが、ジリジリと肌を刺すような日差しに辟易します。
2時間程走った所で暑さに負けて一旦立ち止まりアルチ達と砂漠の移動について話をします。
結果、昼間は休み夜のうちに砂漠を移動する事にしました。
野営用の家には魔道具化した冷房もあるので昼間は家で寝て、夜のうちに距離を稼ぐ方法です。
夜の移動は昼とは違い、冷え込む空気を切り裂き進む感じです。
砂漠の夜は寒いと言いますが、昼とは違い冷気が肌を刺します。
とはいえ暑さは防げませんが、寒さは服を着込めば良いだけなので、やはり夜のうちに移動をする事にしたのは正解だったようです。
260日目
昼は休み、夜に移動をしていると、夜半を回った頃、砂漠の切れ目が見えてきます。
どうやら砂漠の終着点には森が広がっているようです。
夜の森に入るのは危険が伴う可能性があるので、一旦野営用の家を出し、朝まで休んで、日が昇ってから調査をする事にします。
砂漠の終わりに広がる森に足を踏み入れると、そこはドグレニム領にある森と変わらない感じで若干拍子抜けします。
う~ん、魔物が跋扈する大地って言うぐらいだから魔物が溢れているかと思ってたんだけど、普通だな…。
そう思いながら、アルチ達サンダーウルフを偵察に走らせ、カウア達ミノタウロスを護衛に森を進みます。
大体1時間ぐらい歩いたでしょうか、森を抜けると小川がありその先は草原となっています。
草原には鹿のような生き物や牛のような生き物が群れで生活をしていますが、魔物の姿は一向に見えません。
どうなっているんだ?
見る限り手つかずの大自然で至って平穏なんだけど…。
そんな事を思いながらも再度ラルに乗り草原を走り続けると、集落が見えてきます。
えっ?
この大地って人が住んでいない土地って言われてたんじゃないの?
何故に集落が?
そう思いつつもサンダーウルフ達を影に潜らせ自分一人で集落に近づいて行きます。
う~ん、とりあえず集落に住んでるのが人間なのか魔物なのか確認しないとな。
それにしてもまさか砂漠の先にある大地に集落があるとはな…。
ほんと異世界は予想外の事が多すぎる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます