第92話迷宮探索
自分の目の前の空間にに行きたい所へつながるイメージでゲートを開きます。
とりあえず隣りの部屋をイメージしてゲートを開くとあっさりと使えます。
これなら一度行った場所にいつでも移動が出来そうですが、やはり気になるのは魔力の消費量です。
隣りの部屋までだと距離が近すぎるので、ゴブリン達の拠点とした二ホン砦に転移魔法でゲートを開き移動をします。
二ホン砦では夕食の支度でしょうか、炊飯の煙が上がっておりいい匂いも漂っています。
うん、ゴブリンの生活水準が滅茶苦茶上がってるんだけどいいのかな?
そう思いながら砦に入り砦の留守番をしているバルタの所に行きます。
「これはマサト様、お越しいただけるのでしたら先触れを頂ければ出迎えを致しましたのに」
「急に来てゴメンね、とりあえず新しく手に入れた転移魔法がどんなものか試す為に来ただけだから。それはそうと何か問題とかは起きていない?」
「はい、特に問題はございません」
そう言って胸を張るバルタに穀物の補充と魔物の死骸を大量に渡し砦を後に自宅に転移魔法で戻ります。
自宅に戻った後、ステータスを開きMPを確認すると二ホン砦までの往復で500程魔力が消費されています。
これで消費魔力が90%OFFという事は、相当燃費の悪い魔法のようです。
その後は自宅の庭で風纏いを使ってみましたが風が自身の体の周りにまとわりつく感じですが、応用しても空を飛べなさそうです。
最初からネレースに空を飛ぶスキルを要求しておけば良かったと今更ながら思います。
123日目
とりあえず領主館に向かいグランバルさんに一言伝えてから出かける事にします。
「それで、これがネレース様に頂いた地図か?」
「そうですね、これがヌスターロス大陸の地図と、各国の首都を中心とした領内の地図3、あとプレモーネを中心としたドグレニム領の地図ですね」
「ここまで精密な地図などは見たことがないからなんと言えばいいのか分からんがこれは貰って良いのか?」
「いいですよ。あと2セットありますんで。あとネレースの話では、あと57日後に再度魔力の活発化が起きるそうなのでその辺の対策を考えた方がいいかと思います」
「魔力の活発化か・・、規模は分からんのか?」
「規模は今までよりも大きいと思います、ネレースとしてはその結果人間が滅びかけてもいいと言ってましたから」
グランバルさんはそうか、と言うと難しい顔をしています。
「それでマサトは迷宮に行くと?」
「そうですね、一応今はロゼフ達に調査させてますが報告が来ないんでとりあえず様子を見に行ってきます。魔力の活発化で迷宮に魔物が生まれるみたいですし」
「そうか、まあ気を付けて行ってくれ」
そう言うグランバルさんに軽く挨拶をしてから領主館を後にし月山部長に一声かけてからプレモーネを出発します。
門を出たらラルに乗って迷宮に向かいます。
以前迷宮までの木を切っておいたので今回は森を進みますがラルで移動できましたので、夕方前には迷宮の前に到着しました。
迷宮の前にはロゼフ達が野営地を作っていました。
「ロゼフ、ハンゾウ、迷宮調査はどんな感じ?」
「これはマサト様、ご報告が遅くなり申し訳ございません」
「いや、それはいいんだけど、連絡が無いから心配になってね。それでどのくらいまで調査出来たの?」
「はい、それにつきましては大体10層目までは進んだのですが10層目に階層主のような魔物がおりましたので一旦ここで調査を終える予定でございました」
「そうなんだ、じゃあ明日の朝、迷宮に潜ってその階層主を倒してみようか」
「マサト様、そんな気軽に倒せるかどうかも分からぬ者に挑むのは危険でございます」
「階層主のような魔物ってそんなに強そうなの?」
「いえ、そこまでは分かりませんが・・・」
「じゃあ様子を見に行ってヤバそうだったら帰って来るという事で」
そう言って明日の予定を決めた後、ロゼフ達の迷宮調査状況を詳細に聞きます。
どうやら10層までに出現した魔物はコボルトにスケルトン、それと虫型の魔物ぐらいでこれと言って危険な魔物が出てくると言う訳では無いそうです。
ただ迷宮は階層により構造が単純な階層や迷路のような階層などがあり10層までマッピングするまでに時間がかかったとの事でした。
「それでマサト様、こちらが迷宮で得た品でございます」
そう言てロゼフが出してきたのは宝石や金で装飾された財宝と言ってもよさそうな品々です。
「これが迷宮から出て来たの?」
「はい、所々、通路に落ちていたりしておりました」
ロゼフの話では、迷宮に定番の宝箱とかは無くただ通路にポツンと落ちているだけのようです。
そればかりか武器等は無くすべて装飾品ばかりでネレースの言っていた人間の欲望が魔力により具現化した結果のようです。
124日目
ロゼフがマッピングした迷宮の地図を元にハンゾウを先頭に迷宮を進みます。
昨晩聞いた話では階層の魔物はすべて倒しても翌日にはまた現れるとの事でこれも迷宮に溜まった魔力が原因と思われます。
その証拠に魔物を倒しても死骸は残らず魔石のみが地面に残る感じです。
途中から戦闘は自分が行いハンゾウやロゼフ達には道案内を任せます。
とは言え散発的に現れる魔物もコボルトやスケルトンなので苦も無く切り捨てて進みます。
10層の階層主が居る所まで到着し階層主と思しき魔物が居る区画を見るとどうやらオーガが1匹居るだけのようです。
「ロゼフ、あれが階層主?」
「おそらく、ただオーガにはあのように体に文様はございません。何かしらの魔力が加わって力が増している可能性がございます」
そう言うロゼフ達には手を出さないように言い、日本刀を抜きオーガと対峙します。
「グォーーー!!!!!!!!!!!」
オーガが咆哮を上げこちらを睨みつけていますが、以前戦った事のあるオーガキングに比べれば迫力がかなり劣ります。
刀を構えるとオーガとの間合いをはかり隙を伺います。
先に動いたのはオーガです。
太い腕を振りかぶり殴りかかってきます。
拳が目の前に来た時を見計らい後ろに飛んで回避すると同時に伸び切った右腕を切断するつもりで下から切り上げます。
ザッシュッ!
伸びきったオーガの腕は肘の辺りから切断されて地面に落ちます。
どうやら見かけ倒しのようなので、オーガが腕をおさえている隙に一気に間合いを詰めそのまま刀を横に薙ぎ首をはねます。
首を切断されたオーガはその場に崩れ落ちた後、肉体が霧散し魔石だけが残ります。
「ふぅ、どうやら見掛け倒しなだけで普通のオーガと変わらないくらいだったね」
そう言ってロゼフ達の方を見ると、なんか微妙な顔をしています。
「マサト様、申し訳ございません、見かけに騙されていたようでした」
そう言うロゼフに問題ないと伝え、16階層まで行ってみましたが、出てくる魔物にオークが追加されたくらいでした。
迷宮を進むとオークが5匹程居てこちらに気が付くと襲い掛かってきます。
足に力を込めて一気に踏み込みすれ違いざまに日本刀で胴を薙ぎ、オークをすり抜けた瞬間、振り向きオークの背を袈裟懸けに切り裂きます。
切り捨てられたオークはその場に倒れこむと肉体が霧散して魔石だけが残ります。
暫くそんな感じの戦闘をしながら進みましたが、迷路のような階層のようで時間がかかりそうなので一旦迷宮を出ます。
「マサト様、迷宮の探索ですが、このまま暫く続けますか?」
「そうだね、続けてもいいんだけどなんか無理に探索しなくてもよさそうだし、時間もかかるからね、一旦中断してロゼフ達にはニホン砦に戻ってもらおうと思う、まあいつでも探索は再開出来るから」
そう言って転移魔法の話をし、砦と遺跡を転移魔法でつなぎます。
「確かに、これならマサト様が居ればいつでも迷宮を探索できますな」
そう言ってロゼフ達は何の疑いもなくゲートを通過して砦に入っていきます。
うん、初めて見る魔法なんだからもう少し驚くなり警戒するなりしてくれないかな・・・・。
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