集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~

武雅

第1話プロローグ~神との邂逅~

キンコン♪


18時の終業時間を告げるチャイムが鳴り、本日の業務が終了し帰宅準備をはじめるオフィスで帰り支度を整えつつ雑談に興じる同僚達とともに明日からの連休をどう過ごすか考えてる自分は武内真人、35歳の独身、うん、頭髪もプライベートも寂しいサラリーマンだ。


うん、明日はコーヒ店で朝からモーニングしながらネット小説を読んでその後に家でゲームでも・・・。


そう思って荷物をまとめ帰り支度をしていると、突然オフィスに強い光が差し込み自分たちを包み込まれる…。


……

目を開けると真っ白な空間と言うような部屋の真ん中にポツンと椅子に座り足を組む艶めかしい女性の姿がありこっちを見ている。


えっ…痴女?


??? 「よく来たわね、先に言っておくけど痴女じゃないわよ! これでも普段に比べて露出の少ない衣を纏ってるのよ」


てことは普段はもっと露出してるってことじゃん、やっぱり痴女…。


「もう一回言うけど痴女じゃないわよ」


「いやそんなに必死になって否定しなくても」

「会ってすぐ痴女とか言われたら普通否定するでしょ! まあいいわ、話を進めるけど、ここは私が作りだした空間、時間がとまっているからゆっくりしていっていいわよ。」


なんかその格好でそういうこと言われるとどう考えても痴女か、いかがわしいお店のお姉さんにしか見えんな…。

隣りの部屋とかに、ベッドとお風呂、そしてエアーマットとか配備されてる大人のお風呂屋さんみたいな…どうしよう、お金を銀行から下ろしてきてないから1万ちょっとしかないけど足りるかな…。


「だから何度も言うけど痴女じゃないから! 大人のお風呂屋さんでも無いし、お金取らないから!!! はぁ~、まあいいわ、この空間で面談をするのはあなたで20379人目、あと9621人残っているんだけどね」


えっ、20000人近く面談って…ひまなのか?


「まあ確かに私は暇よね。永遠に存在し世界を眺め、壊れないように監視するだけが存在意義だから」

「私はネレース、あなた達のいた世界とは違う世界を管理するもの、あなた達の言い方で言うと異世界の神ってとこかしらね」


そう言ってネレースという自称神と名乗る女性は笑顔を浮かべながら話し続ける。


「あなた達の世界から30000人を私の世界に招待したら少しは私の管理する世界に面白い変化があるかと思って今回お呼びしたのよ」


勝手に地球から人をさらって地球の神様は怒らないのか? ていうか俺は家に帰って風呂入って、ゲームでもしたいんだけど…


「フフフ、あなた達の世界の神は自分たちの手で滅ぼしたでしょ… 確か2020年くらい前にね…。 だからあなた達の世界から私の世界に何人招待しても誰も何も言わないのよ」


うん、この神様人の心読んでる……喋ってないのに思ったことに勝手に回答してるし…。

はたから見たら変な人だろうな~。


「変な人とは失礼ね、これでも世界の管理者である私に、まあ心を読むっていうのはあっているわ。」

そう言ってネレースは少し自慢げな顔を浮かべてる。


うわ~、これ仁とか忠とか義とか各字を刻んだ八つの霊玉を集めて……

「集めなくていいから」


じゃあ、鬼とか星とか張とか文字が身体にでる人7人集めて朱雀を……

「呼ばないから! 朱雀とかいないから!」


てことは、心とか房とか亢とかの文字を持つ人を集めて青龍を?

「青龍も呼ばないですから!」


朱雀、青龍じゃないって事は、白虎か玄武だろうけど、個人的には白虎が……

「よ・び・ま・せ・ん!! なぜそんな事が次から次へと出て来るのかしら?」


いや、だって白虎の物語は結末は分かってるのにそれでも完結を望む人多いんだよ?

「そんな事は私の知った事ではないわよ! それにあなた男でしょ! 男が男探しの旅して何が楽しいの?」


まあ確かに……。

まあその辺は美少女にして貰えると嬉しいんだけど…。


それにしても、よく知ってるな。

異世界の神が日本のアニメ知ってるってどんだけ日本のアニメ有名なんだよ!

まさかオタク?

「ち・が・い・ま・す・か・ら! あなたの思考を読んで私は話しているの!」


じゃあ異世界に来てする事と言って考えられることとしては、全部で7つあるオレンジ色の半透明の球で、中には赤い星のある球を全部集めて……

「だから、呼ばないから! そんな球を集めて龍とか呼んでも願い事とか叶わないから! なにより最初と最後のとか異世界と関係ないから! あなたいい加減にしなさいよ!」


うん、何怒ってるんだろうこの人……。

それに最初の八つの霊玉集める話は主演の女優さんかわいいし、入浴シーンとか絡みシーンすごく色っぽいんだけどな~。


「怒ってる訳では無いわよ! とりあえずこれからあなたには職業を選んでもらい私の世界に行ってもらうわ。 まあ、特に何かしてくれとかはないから安心して。 ただあなた達の世界の人間は順位を競ったりするのが好きでしょ。 だから私の世界で一定の事をクリアするとその順位に応じて特典を用意したから。 まあ1位、2位、3位までしか用意はしていないけどね」


うわ~めんどくせ~テンプレ… てか30000人って集団失踪でニュースになるレベルじゃん。

まあどうせ逃げられないなら職業選んで異世界に拉致られるしかないんか…。


「そういうことね。 話が早くて助かるわ。 現実受け入れられなくて騒ぎ出す人間多いのよね~。 あなたの場合は別の意味で面倒だけど、まあいいわ、この中から好きなのを選んで。ちなみに人気なのは聖騎士と魔導士かしら」


そういうといきなり自分の前に画面が現れた。


「その中から好きなのを選んで触れればいいだけよ。」

「一応いっておくけどその職業はその職業固有の能力があるくらいだからあんまり必死になって考えないでいいわよ」


目の前に映し出された職業は

【聖騎士・神官騎士・魔法騎士・重騎士・弓騎士・魔導士・魔法戦士・聖職者・戦士・拳闘士・剣闘士 弓使い・暗殺者・忍者・修道士・呪術師・鍛冶師・錬金術師・冒険者・狩人・魔物使い・遊び人】


この職業で特に目的もなく異世界に飛ばされて何をしろと…てか遊び人って。

とりあえず個人的にはなりたい職種ないな…作ってくれんのかな?


「あら? 希望のものはないの? 作るのは簡単だけど、その職業は私の世界にない職業だからいろいろ面倒ごとに巻き込まれるかもしれないわよ? なんたってはたから見たら未知の職業だから」


そう言ってネレースは自分の心を読んで話を進めていく。

「それにしても錬成術師。物質を魔力で操作して加工したり分離・抽出したりする職業って、錬金術と鍛冶を足して2で割った感じかしら。 あなた変な職業を考え付くのね…。 まあいいわ、錬成術師にしてあげる。レアがいたほうがそれはそれで面白いかもしれないしね」


ネレースは自分が希望するスキルを作り付与し終えるとえらく満足そうに次に進む。

「じゃあ後は、魔法適正を選んでもらうわ、ちなみに、あなた達に最初から与える魔法は大きく分けて、火・水・土・風・雷・光・闇の7属性よ。一つの属性を選んだらそれ以外が使えないわけじゃないけど、効果は落ちるからね。 ちなみに


1種類特化だとメインは100%だけどその他は平均3%以下だから

2種類だとメインは50% その他は3%以下

3種類だとメインは33% その他は3%以下

4種類だとメインは25%……

5種類だとメインは20%……

6種類だとメインは15%……

全属性だと10%

ってとこね。

まあ魔法はイメージだからレベル上げて魔法レベル上げれば変わってくるけど。あくまであなた達にわかりやすいように数値化してあげただけだから参考程度に思っておいて」


「でどれにする?」


う~んまあ、特化よりもバランスがいいのがいいから全属性かな?


「あらそう。じゃあ錬成術師で全属性でいいわね?じゃあなた他のステータスはこれだから」

そういうと俺の前にまた画面が現れた


名前:マサト=タケウチ  人間  (35歳)

LV:1

職業:錬成術師


ステータスポイント:0

HP:25

MP:50

体力:18

筋力:16

敏捷:15

知力:20

物理耐性:10

魔法耐性:10


スキル:

スキルポイント:0

火魔法LV1  水魔法LV1  土魔法LV1  風魔法LV1  雷魔法LV1  光魔法LV1 闇魔法LV1

アイテムボックス3×3


なんかMPだけおおいな… アイテムボックス3×3もあるし…。


「アイテムボックスはあなたと同じ呼び出してもあんまり動じない者や喜んでた者が異世界といえばアイテムBOXでしょ~とか言うから全員につけておいたわ」

「それにあなた達の世界は魔法がないでしょ。だからサービスで最初から全員一律でMP50を付与しておいたの」

「それにしてもあなた、体力・筋力低いわね~。普通の人より結構低いわよ。どれだけ不健康なの?」


うん、基本インドア派なのでほっといてください!!


「ちなみに、あなたは特殊な職業を要求したのだから送り先の世界ではハードな場所に転送するから」

「いやいや…そこは普通の場所希望ですから!」


「それは無理! あきらめてね」

「それはそうと、他に何かあるか? ほかの者にも聞いてはいるけど、可能なことなら何かしらしてあげるけど?」


う〜ん、最近めっきり薄くなって来た頭頂部と生え際を10代の頃の毛の量に戻して白髪をなくして。


「それは断る! 私は神なのよ。そのような些事、叶えるにあたいしないわね」


「いやいや些事じゃないから! 結構真剣で深刻な問題だから…」

「いや思いっきり些事でしょ」


「いやいや些事じゃないから! 本気で結構真剣で深刻な問題だから…地球温暖化が原因で森林火災になってるアマゾンとかオーストラリア森の焼跡ぐらい深刻だから!!」

「ふん、まあよい、そんな願いを言ってくるなんて人間というのはつくづく理解に苦しむわ」


「まあハーレムをとか、汎〇人型決戦兵器をとか、俺の嫁を現実に存在させて、とか霊〇甲冑が欲しいとかに比べればましかしら…」


ていうか汎〇人型決戦兵器って動力の電力はどうするつもりなんだよ。

それに霊〇甲冑って、確かに新作ゲーム出たけどそもそも魔力はあっても霊力ないし! 何より異世界で〇撃団作りたいの? 悪を滅ぼしたいの? 正義を示すの?


そう、ついつい。突っ込みを心の中でいれてしまう。


「いや、その希望を言う人は異世界に呼んじゃいけない人達でしょ…」

うん、この人全く人選してない…適当だ…。


あっ! それはそうと、あと自分は丈夫な毛根と頭皮で…フサフサになってもすぐ抜けたら意味ないんで…。

あと視力も裸眼で2.0くらいに復活させてもらえます?


「ああ〜わかった、わかったわよ、もういいわ、ではほかの者達のいる空間に飛ばすわよ」


そういうと眩い光が包み込みこみ光が落ち着くと、そこには大勢の人が同じ空間に転送されたらしく先程の空間が時間停止空間ということで回りが今この空間に来たようで周りを見渡し、喚き散らし、泣き崩れ、茫然としたりとまさに混乱のるつぼ状態。


とりあえず頭の上に手を置き現状を確認するとフサフサしてるようなので神の力で薄毛は解消したので良しとしよう!


ふと、聞き覚えのある声がして振り向くとそこには、さっきまで一緒にいた同僚たちも周りを見渡し現状把握をしているようだ。


あっ武内さん! 声をかけてきたのは同じ部で最年少の沖田でした。

武内さんも拉致られたんっスね。もう自分何がなんだか…。

てか髪増えました? なんかフサフサな気が。

まあそれどころじゃないんすけど…。

そういって困った顔で部の全員を見渡している。


うん、部長・課長を筆頭にみんないる…。

でもこのメンツと異世界って… めんどくさいな… 一人がいいな…。

そう思いつつ同僚たちに声をかけようとした瞬間、あの神の声が響き渡りあたりは静寂に包まれそして怒号が飛び交う。


「ふん、何を言おうともう転送を始めるわよ。 あとステータスを見たらわかると思うけど、私の世界はLVでステータスがかわってくるの。 レベルはモンスターを倒しても上がるけど、訓練や鍛錬をしても上がるわ。 私の世界で生きていくにはレベルを上げないとちょ~と生きづらいかもしれないからその辺は自分たちで考えて行動してね」


そう大勢の人間が文句を言うのを無視しネレースは話し続ける。


「1回目の転送は1人で行きたいと一瞬でも思った者の中から1万人。2回目は概ね5.6人組で1万人。3回目は2.30人のグループで1万人をそれぞれの場所に送るから。 まあ、到着は一か月間隔を開けて転送されるから最初の一人で飛ばされた場所にその1か月後に2回目組、そのさらに一か月後に3回目組がいくようになってるから。 それぞれ私が決めた事に1位〜3位まで順位をつけそれに応じてスキルや加護を与えるから私をせいぜい楽しませてね。 それと言い忘れたけど、それぞれ転送後2か月のトータルで全員の総合順位をつけさらに特典をあたえるから。あと時間も最初の6か月は地球の6日間に時間軸を歪めてるから。あなた達のなかに希望する人が何人かいたからサービスね」


ネレースは一通り伝えた後、何かをふと思い出したように再度口を開く。


「とりあえず第1目標は町に行くこと!村じゃないからね町だからね~! じゃあ私の世界たのしんでね~」


そういうと目の前が真っ白に光目を開くとそこは景色が変わり木々に囲まれた場所に佇んでる。

え? どうしろと… 方位磁石無いと東西南北すらわからないんですが…。

えっしかも一人? ここに転送されたのは自分一人だから1組目なんだろうけど。


とりあえず視力と毛髪は要望通りになってけどここはどこ?

まずは見晴らしのいい場所さがしてそれからどう進むか考えないと。

まあ、これから異世界に転送しますって言われてなかったらこうも現実受け入れられないんだろうけど…。


とりあえず山っぽいから斜面を登り上のほうに行って見晴らしのいい場所を探して周りの地形把握してみよう…。



あとがき--------------------------------------

2021年4月29日から新作の「戦国時代の初期にタイムスリップ? いえ、ここは異世界らしく天下統一の為に召喚されたみたいです」を投稿いたします。

5月度は毎日更新しますのでお読み頂ければ幸いでございます。

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