ワニのタクシードライバー① (334文字)

確かに、多様性が求められる時代だとは良く聞くが、

ここまで来たのかと驚いてしまった。


タクシーの運転手が紛れもなくワニだったのである。


タトゥーアートや身体改造技術の発展により、トカゲ人間やらヒョウおばさんといったような、飽くまでも「容姿を動物に似せた人間」は渋谷や新宿なんかで見かけることはあるし、遺伝子操作基本法が制定され、しっぽや耳など身体の一部だけを犬や猫の遺伝子から移植するファッションが若者の間で流行っているということは、何となく聞いたことはある。


しかし、目の前にいるのは間違い無く「」なのである。


初めは狼狽えたものの、なんの障害もなしに会話が成立するが分かると安心した。

少しばかり「行」と「行」にクセがあるのが気になるが、普通に日本語が話せるのだ。

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