第8話:男の子友達と男の娘友達




 はあ……不幸だ……。


 そう思っても俺の右手にはなんにも宿ってないし、普通に不幸だなぁ。

 あ、ちなみに昨日その小説を読んだから知っているのだ。



「よお迅!派手にやったなぁ!」



 話しかけて来たのは茶髪でチャラチャラしてそうな陽気なやつだった。



「あ、そういえばお前記憶ねぇじゃねぇか。俺の名前は“佐々木 忍ささき しのぶ”だ!俺たちは友達だぜ」


「お、そうなのか?まあ記憶ないから覚えてないけど…改めてよろしく!」



「おい、お前らちゃんと授業を受けろぉ!!」


「「はっ、はいっ!!」」



 先生に怒られてしまった…。

 忍は俺の前の席ですぐに話しかけてくるやつであった。



「なあ忍…俺ってすごい嫌われてるよな?」


「ぶっ!!何言ってんだ?お前」


「俺って記憶喪失する前のこと、“全くモテない”ってことだけ覚えてるんだよ」


「ぷっ……くく…いやなんでもねぇ。それで?」


「ああ、それでさっきも女子たちに追われてな…そんな嫌われてるのかな?」


「ふひひ……いや、お前はそのままでいいと思うぞ?ぷふっ」


「そうか…」



 なんか少し笑われながら返事されたけど…なんで?



「こいつぁすげぇ勘違いだ…毎日が楽しくなりそうだな」



 忍の楽しい日常も始まろうとしていた。



〜〜



「よし、授業終わりぃ、復習しとけよお」


「ふう、終わったか…」



「迅くん!大丈夫だったの?」



 クラスに残っている女子が話しかけて来た……と思ったけど男子の制服着てる?ってことは男子!?


 ってぐらい可愛い男子がいた。



 髪はショートヘアーで背は低く、若干ピンクっぽい髪色で、目もすごく大きく、まつげも長い男の子…もとい、男の娘がいた。



「お、おう。だけどお前のことも覚えてないんだ…すまんな」


「いや……大丈夫だよ!僕の名前は“花海 菫はなみ すみれ”だよ!改めてよろしくね!」


「おう、よろしくな。ちなみに俺とお前はどうやって出会ったんだ?」


「えっ!?ええと…それは……」


「?」



 なぜか少し頰を赤らめ、視線を外した。



「そっ、そのことはまた今度!!」


「え」


「僕ちょっとトイレ!!」



 そう言うと菫はすたこらと教室の外に走っていった。



「俺…菫にも嫌われているのか?」


「は?嫌々逆に……いや、普通に友達だぜ?お前らは(本当は違うんだけどなぁ!)」


「そうか、ならよかったぁ」



 俺はホッと安堵した。


 流石に男からも嫌われていたら俺の居場所がないからな……。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


テストが近づいているので来週の日曜日は無しとします…。


すいません…。(;ω;)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る