サプライズ

「パン!」


 いきなりの女子らしき声に、僕はベッドから飛び起きた。


「何!? 何!?」


 あわてて周囲を見渡すと、ベッドのかたわらに妹の千香(ちか)が立っているのが見えた。

 彼女は袋に入ったコッペパンを、僕にそっと突き出す。


「パン」


「何だよ、驚かすなよ」


「お兄ちゃん、言ってたよね。番組で紹介されていた300円の激ウマコッペパン。これでしょ?」

「そうか、ありがとう」


 千香からコッペパンを受け取った僕は、袋から半分だけせり出させると、一口かじった。


「おいしい。実にいい朝になったな」

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