異次元の柿

柿食えば、柿がなくなる本当に、おあとが在りし日の面影のようで


同時刻、だけれど異なる次元にて

ポケットが、ぽっとでのポシェットに、その足をすくわれる


穴あきのため、主人の自宅の鍵は、永遠にこの世から消失し、この穴あきと一生涯いっしょうがい叱責しっせきされつづけるその悩ましさ


すきま風、まるで、底冷えの臨場感

さまざまなニュアンスで語られる言質げんちの嵐

いったよね? 俺たしかにいったよね? 俺あんなにいったよね?

それを見て、硝子片がらすへんを抱えるポシェットが、忍び笑いで呼吸不全


下記消せば、下記がなくなる本稿ほんこうに、おあとが懐かしさに消え去ったようで

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