陽射しの中で

そんなに泣いてどうしたの

なにがそんなに悲しいの

こんなに綺麗な陽射しの中で


悲しいことは我慢しないで

夏風に透かした言葉は

どうしたって爽やかだよ


葉陰の揺らぎ

本当は無音

だまし絵の言葉は

思わず零れる薫風の

忘れ形見の物忘れ


形見なく逝ったあの人は

雲間にいるはずがない

大事にしていた宝箱

いつ中身がなくなったんだろう


涙こぼれて

ありがたがるのは

腐葉土の渇きだけ


身を折って泣く君を

慰められない

もう僕には

子供の悲しさが分からない

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