後腐れ

おぼろ月夜の花影が

いみじくもかたながしに後腐れ

露の重さが命取り

いつからだろう、手足が冷たくなったのは

冷たい月の眼差しがこんなに心に沁みるのは


ふいに立ち現れるのは

花壇を踏み荒らした幼少期の光景

踏んだそばから嬉々として

幼心に誰かの思いを踏みにじることに

快感を覚えていたという意識


夏風に乗り腐れた落ち葉が飛んでいく

いったいいつの生き残り

それとも蘇った落ち葉なの


スニーカーには除草剤が染み込み

化学的な薄汚れに悶えていた

あたし、汚れちゃったみたい

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