薄影のワルツ

1LDKの薄影が心にそっと現れるとき

薄紅の夕日と同化せしめる

薄手のカーディガン


部屋に溶けた麦酒の気泡

湿気た煙草のへこみ

コーヒーの焼けた匂い

汚ならしいマットレス

座右の銘はコードレス


消えた十年前

崩れた五年前

腐った昨日

新鮮な今

腹を蹴る未来


ずれたワルツみたいな人生

知らない約束が次々増えて

罰せられる日々

来世はきっとハツカネズミ

そう思うと、今の人生を

どう思ったらいいか分からなくなる


それさえ邪魔する内動を

豊作と孤独を呷って

飲み下した

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