ペーパー

猫潰しの夢が夜逃げして

世に憚れりと夜泣きして

置き手紙の封蝋には割印が施され

部首とその他が半分こ


人名には程遠い文字の羅列は

暗号めいて、意義と形の判別さえ覚束ない

尻尾を磨いで、髭で見計らい、目で食べる


いったい今まで何台のピアノが

猫を踏み付けにしたことでしょう


音符の羅列は何事において

階層的な内輪揉め


あとからあとから事切れて

食べるがごときに耳殻は震え

来世では貝になりたいという

楽観主義者が産声を上げる


猫が韻を踏み始めちゃった

猫が喋れるようになっちゃった

吾輩の存在理由はマタタビによるところが大きい

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