東屋

東屋畑に身を潜め

陽ざし山査子さんざし

白の日傘の切っ先を

刺身包丁に見立てて

君のお腹を切り開く


出し抜いて

突き放す

見立ての見立て

ほとんど見掛け


かんざしはっしと掴んで、頭にぐさり

ワイヤレスの快適さを味わえば

もう昔には戻れない

揺れるかんざし、男の心を鷲掴み

琴の音みたいに浮わついた

薬理作用の仄かな香り


惚れ薬に惚れ込んだ惚れっぽい自惚れ屋が

バラドクスに陥り、入れ子的な自己愛撫に溺れ

お造りのごとき、静寂のしじまが訪れる


乳歯みたいにクラクラ揺れる

浮気心は屋根まで飛んで

子々孫々まで美し野晒し


専売特許はとっくの昔に奪われて

後出発の輝きは

羨ましかろうととそれはそれ

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