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 高卒の検定をとって。ついでに飛び級が使われている海外の学士認定も取って。


 いくつか論文を学会に送って、技術的特許と学術的価値をパッケージ化しておかねに換えた。


 落とした心が、どこにあるのは分からない。そして、たぶん。見つかることもない。


 先生。


 先生と過ごした日々だけが、やさしく、あたたかい。


 あの日には、もう、戻れない。戻れなかった。


 先生は、きっとまだどこかの教室で誰かを導いてるのかな。そして、見知らぬ誰かと結婚して。子供をつくって。幸せに生きるのだろうか。わたしに一度も、触れないまま。彼とわたしの関係は、終わった。


「先生」


 呟きは。


 朝方の暗い空に舞って。


 どこか、ベランダの外のどこかへ、消えた。



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