異世界屋台ー居酒屋 胡蝶蘭 今日も営業中です。ー
こやかず
第1話 屋台居酒屋『胡蝶蘭』オープンです!!!!!!
とある異世界の商店街『ライドール』の
時計台の針が午後5時を指した。
その商店街の端っこにある空き地に
1人の女の子がハチマキをギュッと締めて
気合いを入れていた。
「さぁーて始めましょう。」
そして1人黙々と屋台を立て始めた。
「よいしょっよいしょ・・・・・・
ワッセワッセ・・・・・・。できた!!」
屋台居酒屋の少し小さな屋台とガスボンベ
テラス席5席を用意した。
「八月一日(ほずみ)せんぱぁぁぁい!!!!!!」
「少し遅いですよ。」
1人で準備していた女の子。八月一日(ほずみ)は少し遅れてきた後輩を少し叱った。
そして今遅れてやってきた女の子。
結菜(ゆいな)は『すみません』と言いながら
ペコペコと八月一日に頭を下げた。
「もういいですよ。ほら結菜始めますよ。」
「はい、八月一日先輩。」
結菜は遅れて来た事を忘れて元気に
返事をした。
「先輩じゃなくてマスターね。」
「あっ!!すみません。先輩・・・・・・
あっまた間違えてしまいました。
先輩・・・・・・。」
「当分練習が必要ね。じゃあ始めますよ。」
少し人が賑わいつつある商店街を見て
八月一日と結菜は大きな声で
「「屋台居酒屋『胡蝶蘭』営業しま〜す!!!!」」
「おっ!?待ってました!!!!!!」
「ラッキーまだ特等席が空いてる!!!!!!」
特等席とは屋台の中の席の事である。
この町の傭兵さんが2人来店してきた。
「らっしゃい!!!!!!今日は・・・・・・だよ。」
「・・・・・・?なんだそれは初めて聞く
料理名だな。」
マスター八月一日より2つ歳上の傭兵さんの
ラリアーという名前でこの傭兵の先輩と
みられる男がマスター八月一日に和かな顔で
聞いてきた。
「分からない料理名でもマスターの作る
料理は、美味しいから大丈夫ですよ。
この僕『ガラール』が保証します。」
「ふふふ、今日も元気ですね。
何かいい事でもあったのですか?」
マスター八月一日と同い歳で
ラリアーの後輩傭兵さん。
ガラールはとても凛々しい顔つきだ。
そのガラールに結菜が可愛らしい声で
質問をした。
そしてガラールが結菜に
「いい事?僕からしたら君に会える事が
いい事かな?」
「まぁありがとうございます。」
結菜は世界最強のエンジェルスマイルで
ラリアーに返した。
そしてラリアーとガラールはほっぺたを赤くして思った。
「絶対この子達と店をこの俺が
守り続けると。」
そうこうしているうちにマスター八月一日が
何かを焼き始めた。
「パン?」
「マスター今日の料理の『ヤキマンジュウ』
って焼いたパンのことだったのか? 」
「確かにパンに見えるが
これは我々の世界の
『マンジュウ』というものを
焼いたものです。ちょうど良い甘さで
大人と子供に大人気なんですよ。」
マスター八月一日が焼いていたのはなんと
群馬県の最強スイーツ焼きまんじゅうだった。
「うおっ!?なんだこの匂いから分かる
美味しさは!?」
ガラールは、焼きまんじゅうの香ばしく
タレの甘い匂いの香りに驚き
楽しみにしていた。
「串に刺して・・・・・・皿に盛り付けて
出来上がり!!!!!!私特製の
『極旨焼きまんじゅう』!!!!!!」
「「おおーーーー!!!!!!」」
2人は焼きたての焼きまんじゅうを
目を星のように輝かせながら、
少しヨダレを垂らしながら見ていた。
「この串を持ってガブッと食べてください。」
「おお!!分かった。では」
ガブッ!!!!!!
「ん!?!!!!甘い!!!!だけど甘すぎない。
美味い!!!!!!
このマンジュウとタレがものすごく合う
な!?ラリ・・アー?」
「おかわりください。」
「はいどうぞ!!」
ラリアーは食べてはおかわりし続けた。
「手が止まりません。
ですが止めさせません。」
「お前!!!!!!無くなるだろ!!少しは
遠慮をだなー。」
「先輩だって食べてるじゃないですか〜。」
その光景をマスター八月一日と結菜は
ニコニコと嬉しそうに見ていた。
「あら美味しい香りがするわね。
私も1つよろしい?」
「はい分かりました。
焼きまんじゅう1本お願いします。」
まだまだ6時忙しくなるぞ。
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