第8話なんだかんだで完成しました。

「でっできた…。」

机の上に広がった300枚ほどの原稿用紙を見つめる。

そこにあったのは、精霊たちと僕が共同作業で描いた小説だった。

「ありがとう…皆。今日は帰ってもらって構わないよ。」

日はすっかりと落ちて辺りは暗くなっていた。

1人の精霊が僕の周りを周る。

「どうかしたの?」

名残惜しそうに精霊が僕の体と自分の体をすり合わせる。

契約精霊ではないから言語はわからない。

だけど、彼女の気持ちが僕は分かる気がした。

「契約…する?」

僕は、契約をなるべく避けてきた。

契約をするとどうしても僕が主、そして彼女たちが従魔になってしまう。

それが、嫌だったのだ。

彼女は頷く。

契約したいと。

「じゃあ、アスカ。君の名前はアスカだよ。」

「ありがとう。主様。」

彼女の周りが光り輝きまぶしい笑顔でこちらを覗いた。

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