第9話

 赤い花は《再生》の色。青い花は《別れ》の色。

 桃色の花は《嫉妬》の色。

 黒い花は《慈しみ》の色。黄色い花は《幸福》の色。

 紫色の花は《優しさ》の色。

 神さまは咲き誇る花々それぞれに、役割を与えたのです。大切な大切な、生きるための道標。

 ですが――――


 白い花は【罪過】の色。

 なににも染められず、なににも染まらず。

 いつだって。そう――――己の罪すらも。

 哀れな白い花は、果たしてどこへ向かえばその存在生きる価値を認めてもらえるのでしょうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る