Golden Jupiter

オノマトペとぺ

第1話

金木犀が香り始める

甘い甘い気配が、乾いた空気に色濃く漂う

終末の足音が着々と近づいてくる


金木犀が香る頃

郷愁に包まれながら、

冷徹な喧騒を背に感じる


「輝かしい未来」が

色を落として目前に転がってる

すっかり色あせ、鈍い音を立てるそれを

くたびれた靴で踏みつけ、越えて

モノクロの「過去」に更新する


私の足跡は

転がる黒と、動かぬ白の

入り混じる無味無臭の重い影


金木犀の香る街で

私は

未来の色を吸い取り生きる

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