幽霊と人間の関係について
幽霊は、霊術を使わない限り、人間の目には見えない。
したがって、人間の多くは幽霊の存在に気づいていない。それどころか、幽霊など非科学的だと否定したりする始末である。
ちなみに、幽霊同士(幽人も、霊人も)は、簡単な霊術を用いるだけで、互いの姿を確認できる。
上述したように霊術を用いれば(人間の目の前で霊術を用いるのは違法だが)、人間の目にも見えるようになる。そのため、ときどき、人間が幽霊を目撃する事件が発生する。過失であれ、人間に姿を見られた幽霊は、違法として、刑事的に処罰される。
人間の中には、「霊感の強い人」というのが存在する。これは生まれ持った性質であり、科学的な解明は成されていないが、幽霊の姿を見たり、幽霊の声を聞いたりできる人間がいるのだ。
「霊感の強い人」たちがいるおかげで、幽霊社会と人間社会は昔より、こっそりとつながっていた。現在も、内閣総理大臣と、幽霊長官はつながっており、定期的に、首脳会談を開催している。
また、人間社会のオカルト新聞である『日刊怪異新聞』は、実は、『日刊幽霊新聞』の関連企業であり、『日刊怪異新聞』に勤めていた新聞記者などは、死亡後、『日刊幽霊新聞』に再就職するケースが多い。『日刊怪異新聞』に勤めていた人向けの、特別な就職口が用意されている。
そのような現象は全国各地で確認され、ほぼすべての人間社会の企業には、幽霊社会にも関連企業が存在し、エスカレーター方式に就職できるようになっている。ほぼすべての職業がそうだ。政治家や教師もそうである。
しかし、中には、幽霊に転身したのをきっかけに、職業を変更する人もいる。
人間は老いていくが、幽霊も老いていく。人間と同じくらいの年齢で亡くなる。
当然だが、幽霊社会は人間社会と比べるとあまり活気がない。若者よりも年寄りのほうが多いからである。人間社会よりも、介護問題が深刻化している。
まだまだ語りえないが、これくらいで終わりにしよう。
続いて、本新聞について説明する。
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