1000文字以下の作品
第1話 家であったことをあなたに 1/1
28歳で11回引っ越しをした私が、体験したことを某小説サイトに投稿した。
その内容は、体験回数が多い順に。
1、ラップ音。
「パン、パン、パン、パン」「ぽんぽんぽんぽんぽん」など、軽めの音が多
かった。1度だけ、「バキンッ、バキンッ、バキンッ」と、家を壊しにか
かっているのかと思うような大きい音がした。でも、被害なし。
2、足音。
ラップ音の1種かもしれないが、別枠。足音にしか聞こえない。
「ギシギシ、ギシギシ」ゆっくり歩く大人。「とっとっと」小走りのこども
3、玄関の鍵を開ける音。
ラップ音の 以下略。
音が終わって、「おかえり」と声をかけても返事がない。見ると誰もいない
鍵も閉まったまま。
ここからは、1回だけのあったこと。
4、幽体離脱。
宇宙へ旅立った。また行きたいような行きたくないような。
5、おしゃべりな幽霊?
「ガヤガヤガヤガヤイシガヤガヤイシイシガヤガヤガヤガヤ」
こんな感じ。分かる単語は、イシだけ。
ホラーでよくある、何かを封印した石を動かしたなどの覚えはない。
6、黒い男。
クーラーの無いアパートに住んでいた時に見た。
扇風機だけでは暑くて、夜中に目が覚めて、窓を開けた。
窓の外、右に電柱があり、黒い男がよじ登っていた。真っ黒。
黒い服を着ているとか、影で黒く見えるとかではなく、真っ黒。
顔も黒。目も口も無く、真っ黒。でも、目が合った気がした。
気付いた時は朝、ベッドにいた。窓は開けっぱなし。
他にもあるが、こんな感じのことを書き込んだ。
1件コメントがあった。
「盛り上がりに欠ける。リアリティがない。怖くなくて、つまらない」
確かに、病気になった、ケガをしたなどの実害はない、今のところ。
が、リアリティがないってなんだ。リアリティがないって。体験談を書いたのに。
映画になりそうなことが、ホイホイあったら、大変だよ。
全部、この人のところへ行けばいいのに。ネットで繋がったこの人のところへ。
ネットで繋がった、怖がらないこの人のところへ。
そうなれば、家は、平和。
ネットで繋がった、怖がらない人のところへ行っちゃいますように。
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