第80話従っていた者たち
『エクス〇リバーっ!!』
アガシタ様はその光る剣を頭上にかかげ一気に悪魔神ヨハネスに振り下ろした。
途端にその光は伸び怒涛の衝撃波を巻き起こす。
カッ!
どがぁががっががががががががぁぁっっ!!!!
「まずいですわっ!」
その威力は正しく「裁きの剣」を上回るモノ。
例え女神でもその攻撃を防ぐ事は出来ない。
勿論それが異界の神であっても。
あたしはその衝撃波を防壁展開して耐える。
「うわっぁ!」
「きゃぁー! お、お姉さまぁっ!」
「エルハイミっ!」
その衝撃波はあたしの防壁ですらぎしぎしと嫌な音を立てて揺らす。
思わずシェルもイオマも悲鳴を上げる。
そしてアガシタ様の分身であるはずのライム様でさえあたしの名を叫ぶ。
これなら悪魔神ヨハネスも!
そうあたしが思ったその先で有り得無い事が起こっていた。
なんと悪魔神ヨハネスは右腕のラウンドシールドを巨大化させその怒涛の光の衝撃波を受け止めていたのだった!
『ぬぅおぉおおおおおおぉぉぉぉっ!!』
だが流石に全てを受けきる事は出来ないようでそのシールドは徐々に砕け始める。
ががががががががががぁッ!!!!
カッ!
どがぁぁああああああぁぁぁぁぁんんッっ!!!!
その光は最後にひときわ大きくなって悪魔神ヨハネスを包み大爆発を起こした。
上空で破裂するそれはまるでこの世の終わりでは無いかと言うほど大きく赤々と燃え広がり天空を朱色に染める。
「やったっ!」
ライム様がそうこぶしを握り叫んだその瞬間だった。
バシュっ!
ババシュッ!!
爆炎と煙が覆うその天空から七つの漆黒の光が飛び出しアガシタ様に迫る。
それは大技を放ってしばし硬直するアガシタ様に殺到してアガシタ様の四肢を切り刻む。
ズバッ!
ズズババッ!!
「アガシタ様ぁっ!!」
「そんなっ! ですわっ!?」
ライム様の悲鳴が上がりあたしも思わず呻いてしまった。
七つの光はそのまま上空を旋回している。
そしてよくよく見ればそれはなんと悪魔融合したジェリーンたち!!
「エルハイミっ! アガシタ様がぁっ!」
シェルの悲鳴でアガシタ様を見るとその手足を切断され崩れ落ち始めていた!
ピコン、ピコン、ピコン、ピコ、ピコ、ピコ、ピコココココっ!
崩れ落ちるアガシタ様の胸元に光っていた宝石もその点滅を早めそして消えてしまった。
ずどぉおぉおおおぉぉおぉぉん!
そして本体がとうとう落ちてきてサボの港町に落ちる。
「そんな、アガシタ様がっ! ですわ!!」
「お姉さま、あれをっ!」
まさかの事にあたしが驚きを隠せなくなっていた所にイオマの悲鳴が上がる。
そしてイオマが指さす先を見ると天空に花開いていた爆炎と膨れ上がった煙が落ち着きそこに大きな影がうっすらと見え始めた。
「そんな、アガシタ様のあの攻撃をしのいだの!?」
ライム様のその声にみんなもそれを見る。
『ぐふっ、ぐはぁはははははははっ! やったぞ、ついにこの世界の女神を倒したぞぉっ!!』
見れば片腕を切り落とされ全身をぼろぼろにしながらも悪魔神ヨハネスはその体を保っていた。
アガシタ様の攻撃を受けたシールドはほぼ原形を留めず、鎧ももげ取れどうにかそこへいるが漂うその雰囲気は衰えず悪魔神ヨハネスは声高々に笑う。
『はははははははぁっ! お前たち、とどめを刺すのです! そしてアガシタの魂を私に!!』
途端に悪魔融合したジェリーン達がアガシタ様に殺到する。
「アガシタ様ぁっ!」
ライム様の悲鳴が上がったその瞬間、アガシタ様の本体の点滅が消えたあの宝石が割れ中から人間大の大人バージョンのアガシタ様が鎧を身に着けた姿で飛び出してきた!
びきっ!
パキーンっ!!
「デカくってこの世界の魂を沢山食ってる方が偉いのかよ! まだだ、僕はまだ戦える!!」
その姿に似合わない口調で美しい姿のアガシタ様はその身に着けた鎧を変形させる。
肩から白い羽根が飛び出て両足にも白い羽が飛び出て全体がうっすらと光り輝く。
アガシタ様は一気に天空を駆け上がるがそこへ悪魔融合したジェリーン達が立ち塞がる。
が、アガシタ様は寸前の所で更に頭部の兜を弾かせ銀色の長い髪を振り乱しながら残像を残しまるで分身するかのように高速移動する。
それを悪魔融合したジェリーたちが追うが、攻撃を仕掛けたそれは全てアガシタ様の残像!
『なんですと!? 実体を持った、残像だと言うのか!?』
追うジェリーン達を振りきり多重残像をまるで分身のように軌跡に残しながらアガシタ様は悪魔神ヨハネスの額にまで行く。
勿論悪魔神ヨハネスもその大きな腕を振り回すが全てアガシタ様の残した残像!
『化け物か!?』
呻く悪魔神ヨハネスの額に右腕を光らせながらアガシタ様はその力を放つのだった。
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