第2話 ゲーム開始(前編)

シズクは再び椅子に座り、デスクに向かうと何かの装置の電源を入れる、するとデスクには今回のデスゲームの会場内部を細かく移す監視カメラの映像を映すモニターが多く置いてあり、銀二にも恐らく数え切れないほどのカメラが設置してあり、死角は存在しないと思える程の規模であった。その光景を目の当たりにし銀二は

「…それだけの数のカメラ映像をあんた1人で全部確認するのか?」と言うがシズクは「そうだよ?と言いたいところだけど僕も人間だからね、食事もすればお風呂にも入るしお花摘みにも行く、だからこのデスゲームを行う上で僕達の組織から来ているのは僕一人じゃなくて黒子として末端の人間も来ているよ、僕はあくまでもこのゲームのゲームマスター、ゲームの動きが悪くなればなにかイベントを投げ込んだりするのさ」と笑いながら答える。

イベント、という単語に銀二は違和感を覚えるも恐らく殺人を促す為の何か、と判断し特に質問はしなかった。質問をしない銀次の顔を見ながらシズクは「イベントについて質問はしないのかい?」と意外そうな顔をしながら聞いた、それに対し銀二は「どうせ殺人を促す物だろ?」と言うとシズクは「そうだね、それが分からないほど馬鹿じゃないと分かって安心したよ」と年相応のいたずらっぽい笑みを浮かべる。初めて見るシズクの悪意の籠っていない笑顔を見て銀二は本当に殺し合いを見て楽しんでいる様な、まして国家単位で裏から牛耳っている裏社会の人間なのか?と思った。銀二がそう思ったのかを察したのかシズクは「アレェ?銀の時もしかして僕が本当に裏社会の人間がどうか分からなくなってるのかな〜?」とからかうように言い始める、続けて「それとも僕に惚れちゃったのかな?」とニヤニヤしながら続ける。銀二は「想像におまかせしますよっと」と言い、槍を肩に担ぎながら「で、あんたからの説明はこれだけか?それなら俺も怪しまれないように部屋に行こうと思うんだが?」と言うとシズクは銀二目掛けて何かを投げる、銀二は普通に取り、なにか確認するとスマートフォンだった。「それは銀の時専用の僕直通スマホ、そしてそれを持ってるとここまで来るのに罠が発動しなくなる、ここをセーフハウスに使いたいなら無くさないことをオススメするよ」とシズクは言った、それに対し「お気遣いどーも、有難くお借りする」と銀二はいい、ポケットにスマホをしまった。

「部屋にもこのゲーム専用のスマホがあるからそれも持ってね?じゃないと怪しまれるから。それとあとのルールは他の参加者が目覚めてから説明するからまぁ待機部屋でゆっくりしててよ」とシズクに言われた為銀二は地下の運営部屋を出ようとする、すると足音が近づいてきて耳元で「…それと…銀の時が合格したら点数に合わせていくつかお願いごとを聞いてあげるからね?…」とシズクに囁かれ、銀二は動揺する。その様子を見てシズクは笑いながら「良い反応だね銀の時…あと…過激派と会えば協力しあってもいいからね」と言った。少年は「…誰でも耳元で囁かれたら焦るっての!!」と言いながら足早に自らの待機部屋に向かった

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