第2話 復讐の始まり I

「この世界を終わらせる」


 ー1年前


「じぃ、ランニング終わったぜ!早く魔法の特訓しようぜ!」


「湊そんな余裕そうなふりしてるけど、後半辛くて泣きそうになってたじゃん」


「泣きそうになってないし、実際全然余裕だったし。涼音の方こそ辛かったんじゃないの?」


「そんなわけないじゃん。あんな楽なランニングでへばる人なんているわけないよね、み・な・と君?」


「なんだと、勝負するか」


「いいわよ、やってあげても」


 先ほどから言い合いになっているこの2人。男の方が氷渡ひわたりみなと。そして女の方が芦北あしきた涼音すずね


 2人はランニングを終えて家に帰って来たところだった。


「湊、魔法を極めるのも大事だが、体力作りも大切だからね。体力がなければ魔法をたくさん放つことはできないからね」


 湊に体力をつけることの大切さを語っているのが、先ほど湊がじぃと呼んでいた人。名前は芦北あしきた大介だいすけ。涼音の実の祖父だ。


「そうよ湊、おじいちゃんの言う通りだよ。湊は魔法は確かに凄いけど、体力が無くて数回魔法を使ったらぜーはー、ぜーはー言ってるじゃん」


「わかってるよ。それより早く魔法の特訓しようぜ!」


「湊、涼音、ご飯の準備ができてるからご飯を食べた後に特訓しよう」


「やったー!ようやくお昼ご飯だ。」


「涼音は食いしん坊だからな。食べ終わったら魔法の特訓するからな」


 ここでは3人で暮らしている。


 涼音の両親がいないのは、涼音が生まれてすぐに母が病気で亡くなり、父はウィッチとして軍の兵器として使われ、戦い中に命を落とした。


 そして湊がどうしてここで暮らしているかと言うと、湊の両親も涼音の父親と同じで軍の兵器として使われ湊が3歳の時に命を落とした。


 湊は両親がウィッチとして亡くなったということは今はまだ知らない。


 それから施設で過ごしていたが、7歳の頃に施設の本を凍らせたことから氷の魔法が使えるとわかり、施設長の知り合いであり、氷魔法を使えるとして芦北大介に相談して引き取ってもらったのが始まりである。

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