2
ダンテはバルムンクを下段に構えてジリジリと近づいてくる。
最強の剣を手に入れた彼は興奮を隠せずにいた。
子供が自転車を手に入れたように。そうなればどこにでも行ける気がした。
「もうやめようダンテ!」
それまで静かに様子を見ていたギュスターヴがたまらず言った。
これまでどうか穏便にすむことを願ったいたのだ。
だがもう我慢できない。
「我々はそのバルムンクを手に入れた、それでもういいじゃないか」
ダンテは初めてそこに彼がいる事に気づいたように愛想なく答える。
「ふん、こんな武器をこいつらに一つでも持たせたら何をするか分からない、グングニルも奪いこいつらが何もできないようにしてやるんだ」
それにはこの二人を地獄に送らなければならない。
とばかりにまたもカレンとムニカに剣の切っ先を向ける。
ムニカとカレンは疾風のように攻撃を仕掛けてきたギュスターヴをふたてに分かれてなんとか交わした。この部屋は少しばかり狭いので避けるとき転がったムニカは壁にぶつかってしまった。
なんとか起き上がったムニカに横一文字の攻撃が放たれた。
しゃがんで避けると剣の重みを感じさせる音がブオンとなり、まともに受けていたら身体が真っ二つになっていたであろう。
「やめてください!」
打撲した横腹をさすりながらムニカがあえぎながら言った。
「それではその槍を渡すのだな!」
「それはできない」
槍を持っていなければダークウィッチと戦う事ができない。
それを聞いたダンテは上段に剣を構えて兜割りを喰らわせようとした。
倒れたままぐるりと回転して攻撃を避ける事に成功した。
これはこのグングニルで戦うしかないのか!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます