十二人のお姫さま
@chased_dogs
十二人のお姫さま
二人の
あるとき、
あるとき、海の
八番目のお姫さまは、今では海の中で、蛸の王子さまと仲良く
あるとき、カッパの王さまたちがやってくると、九番目のお姫さまが作った胡瓜を食べました。カッパたちはその胡瓜の美味しいことにびっくりしました。それで、カッパの王さまは
それから、九番目のお姫さまとカッパの王さまは結婚し、今では二人で畑を作っています。ときどきカッパたちが
十一番目のお姫さまと十二番目のお姫さまは、
二人
あるとき、十一番目のお姫さまに
それから、十一番目のお姫さまと十二番目のお姫さまは、まったく別々のことをして暮らすようになりました。ずっと一緒だった妹と離れ離れになり、幸せだった十一番目のお姫さまは、しかし段々と不安になってしまいました。
十一番目のお姫さまは夫の王子さまに相談します。王子さまは
実家では、行方知れずの十番目のお姫さまを除いて、姉妹全員が出迎えてくれました。十一番目のお姫さまは、十二番目のお姫さまが元気そうなことに安心しました。
その晩、久々に二人同じベッドに眠った十一番目と十二番目のお姫さまは、お互いのいない間の出来事を語り合いました。そして十二番目のお姫さまが提案しました。「今まで二人同じことをしてきたのだから、今度は二人入れ替わってみたらどうかな」
十一番目のお姫さまは、とても楽しそうだと思いました。それから二人は大急ぎでお互いのことをノートに書き留めました。そして翌朝には、お互い格好を真似して出掛けました。
十一番目のお姫さまになった十二番目のお姫さまは、十一番目のお姫さまの夫の異国の王子さまと帰っていきました。十二番目のお姫さまになった十一番目のお姫さまは、実家にいて一人で過ごしました。二人のお姫さまは、頻繁にお手紙を送り合いました。
十二番目のお姫さまは、夫となった異国の王子さまと一緒に、色々なところへ出掛けました。見たことないほど大きな滝の滝壺のところまで船に乗ったり、信じられないほど大きな波の上をカヌーに乗って滑ったり、とても楽しい日々が続きました。けれども王子さまは、一緒にいるのが十一番目のお姫さまではなく、本当は十二番目のお姫さまであることに、まったく気がつきませんでした。
十一番目のお姫さまは、ずっと過ごしやすい実家で、平穏に暮らしていましたが、平穏に暮らし過ぎたと思うようになりました。妹が楽しんでいることを手紙で読むことは、とても嬉しいことでしたが、夫が何も気づかないことが段々と不安になってきたのです。
それから十一番目のお姫さまは、夫のことをときどき思い出すようになりましたが、思い出は段々とぼやけていき、思い出せる出来事も数えられるほどになってしまいました。お姫さまは溜め息をつきました。それと同時に、夫への情熱が風に乗って、口から出ていってしまいました。
今では十一番目のお姫さまは十二番目のお姫さまとして、十二番目のお姫さまは十一番目のお姫さまとして、それぞれ暮らしています。誰も本当のことを思い出すことはないので、本当に十一番目のお姫さまは十二番目のお姫さまに、十二番目のお姫さまは十一番目のお姫さまになったのでした。
おしまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます