勝負

健さん

第1話

俺の名は、山田雄二。そして小学校からの幼なじみの大山竜一。俺たちは今年で40歳になるが、今まで、こいつとの勝負事に勝てたためしがない。っていうか、トランプにしろ、花札にしろ、何か”ズル”、いかさまをしているのである。”それ”は何かは、わからない。ある時将棋をやつとやった時だ。俺は我慢できなくなり、トイレに立った。戻ってきたら、駒がだいぶ、変わっていたなんて、日常茶飯事である。性格も、ずる賢いヤツなのだ。最近オセロをやっていた時久々に、俺が優勢だった。自信はあった。初めて勝てると、思ったが、竜一は言った。「おい、雄二さっきから気になっていたが、お前の後ろに、けっこうでかい蜘蛛がいるぞ。」「え~!!」俺は、ヘビより、蜘蛛が、一番大っ嫌いなのである。こいつは、そのことも知っている。俺は、恐る恐る後ろを向いて、払いのけたが、いない?「いないじゃないかよ。」「おかしいな、俺見たんだけどなあ。」そして、気を取り直して、オセロの続きをしようと、思ったら、「あれ??」だいぶ駒が変わってるぞ。俺は黒。ヤツは白なのだが、黒のほうが圧倒的に多かったのに、いつのまにか白の駒が、多くなってる。うその蜘蛛に気をとられていたスキにやられてしまった。こいつに、何か勝てるものはないかと、必死に考えた。しかも、あいつの得意のいかさまできないような。何日か考えて閃いた。そして、今度は俺が、”裏技”を、使った。「竜一、勝負しようぜ。」「勝負?今度はトランプでもやろうっていうのか?」「ちがうよ、100mの徒競走だ。」「かけっこか?お前、小学校、中学校と、俺に勝ったことなかったじゃないか。」そして、近所の河川敷で、やることになった。俺たち2人は、別々で車でこの場所に来た。(前日に、罠を仕掛けてあるから、絶対に今回こそ俺が勝つぞ。)そして、一緒に並んだ。”よーいドン”俺たちは走った。やはり今でもあいつのが早い。俺が、先に出たが、あっという間に抜かれてしまった。と、思ったら、あいつが”落ちた”。そうなのだ。前日に落とし穴を掘っておいたのである。ヤツが、穴に入ってもがいている間、俺はゴールイン。俺が勝った。「やったぜ、ついに、こいつに勝ったぞ~!」「雄二、きたねえぞ、こんな、せこいまねしやがって。」「お前だって、さんざんずるいことしてきただろう。」竜一は、泥だらけで、穴からでてきた。俺は、トイレに行きたくなり、公衆便所に行って、用をたした。そして、車に戻り、帰ろうとしたが、ヤツは、もう居なかった。相当頭にきたのだろう。”ざまーみろ”やっと、あいつに勝ったぞ。そして、車に乗り込み、エンジンかけて、発車したが、んん?何か変な感じ。車を止めて見てみた。(なぬ~!やられた!俺が、便所に行っていた間に、右の前輪タイヤパンクさせやがって~!くそ~竜一め!)やっぱり、あいつには、勝てねえや。

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