第10話 森の大工さん

 森の大工さんクマゲラ

北海道の野生動物の代表は天然記念物の「クマゲラ」です。この野鳥は研究も進められて研究者から著書も出版されています。森林に住む大型キツツキの仲間です。春にはペアリング(結婚)をして子育てをします。夫婦の仲はとても良くて一生夫婦で過ごします。大木の中間に大きな巣穴を作ります。入り口は五センチ程の穴ですが、内部は立てに掘られて三十リットルもの広さです。一度に生む数は三個から四個です。この卵を二十日間夫婦が交代で抱卵(たまごを温めてヒナに)します。餌はアリや小虫で一日に数十匹も幼鳥は食べます。夫婦はその餌を毎日・毎日捕食しに飛び回ります。生長すると幼鳥は巣の口まで姿を現します。幼鳥の天敵はカラスやトビ・ワシなどです。巣穴から姿を出すときは、親が近くにいるか、いないかで子供は判断します。そのときは、親の声でわかります。「キューン・キューン」と長く鳴くときは警戒して巣穴から出ないと決められています。


すべての幼鳥は、親の鳴き声を聞分けます。とてもおりこうさんの鳥なのです。

餌が欲しいときには、「ガア・ガァ」と低い声で親に訴えます。親も子供たちには、平等に餌を与えます。幼鳥の糞は親が交代で巣穴から外へ運び出します。ですから。巣穴はいつも清潔です。

六月には、幼鳥は巣立ちを迎えます。飛び立つ子供は勇気と健康な子供が一番先に旅立ちます。

この光景を親は、木々の間から見守っています。そして、大きな声で飛び先を指示します。

親は、その場所に先に行って子供の飛来を待っています。飛んできた子供は、外敵から身を守る手段で声をだしません。親は外敵がいない時を考えて巣立ちをうながすのです。

子供は、初めて飛んだ事と新鮮な空気を吸った事で興奮しています。


親はその間に少しの餌を与えます。子供らは次々と日を改めて巣立ちをします。勇気のない巣立ちのできない子供は親が巣穴で子供に「キューン・キューン」と大声で旅たちをしなさいと鳴きます。ほとんどの子供はこの親の声で巣立っていきます。親も二が月間は、子供たちに餌を与え続けるのです。クマゲラの親子は秋口には、別れ離れになります。子供たちは、自分で餌を採り生き延びる運命なのです。研究者は「幼鳥も一冬を過ごせたら安心できる。そして、大人になり巣作りでペアリング活動につながっていくのです。いかんせん。北海道の冬は、厳しくクマゲラが過ごせる個体数も多くはありません」と言います。

北海道中心部の富良野市近郊の大学演習林ではその姿をみる事が可能です。


皆さんは、可愛いから動物を飼ってみたいと思うことがあるでしょう。代表的な動物としてウサギ・カメ・近年人気者のネズミなど多くおります。そして、海外からもたくさんの動物たちが日本に移住の準備をしています。飼うのは簡単と思わないでください。動物にも生きる権利があるのです。そのことを充分に理解しないと不幸な事がおきます。

育てていて「飽きた」から誰かが育ててくれる。こんな事では動物を飼育することはできません。

ましてや、親にその飼育を任せるのは最低の行為(こうい)なのです。動物も「あなたが好きできたのではありません」と言います。そうです、あなたは好き好んで動物を飼育しているので責任はあります。その責任を取らなければ飼育者としては、失格者なのです。


数年前に「動物愛護の法律」が改正されました。その中で家庭での飼育に関しての法律も見直されました。飼育には「可愛い・好き・」のほかに「責任」が加わったのです。それは、飼育する動物に対して「介護・擁護・治療」と動物が苦痛に至らない方法を考えて最良の手段をとりなさいと定められました。簡単に言いますと「その動物が安心して生きていく方法と病気になったら治療と介護をしてください」なのです。そのためには、病気になったら動物病院での治療・予防・をしなさいと法律に明記されたのです。

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