第5話培われた身体能力

連れて行かれたのは、王宮のど真ん中。政務室だった。そして、私を連れてきた偉い人は、当たり前のように王の椅子に座った。

これで、もうこの人の正体は確定した。もし、違ったら相当のうつけ。……逆に勇者と呼べる。

私の視線に耐えられなかったのかその人は口を開いた。


「一応間違いが無いように聞いておくが……お前が倒したんだな?」


「はい」


「その身体能力はどのように培った?」


「厳しい環境で育ったので……」


それを嘘だろって顔をしている。そりゃそうですよね。


「私が育ったのは、王国の端っこ。ハージ村です」


「あの辺境のか!確かに、あそこは厳しい環境にあるな」


王様(ほぼ確定)は、「なるほど、なるほど。確かにあそこは、隣国に侵略されたり色々あるからな」と勝手に納得してくれた。


「よし、それでは褒美だが給料の半年分。金貨60枚」


そう言って渡された金貨入りの袋は60枚以上の重みがあった。込められた意志的に重かったわけでは無い。金貨が60枚以上入ってるということだ。


「あの……枚数間違えてませんか?」

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