浦島太郎に出て来る『玉手箱』の名前の意味がずっと分からなかったのですが、まさかこんな意味だったとは…本来は二人で使う所を太郎は一人だったからああなったんですね。こんな所で玉手箱の謎が解明されるとは思いませんでした。
初手の舞台設定によるインパクト、中盤の話の転換、そしてオチ。要所要所の見せ所を主人公とパンチのおじさんの掛け合いでブリッジし、統一感を持たせている。スパッと読めて短いながらも読んでいて楽しい、全編通して笑顔になれる素晴らしい短編小説でした。日曜日に読みたい作品ですね。オチは「来るぞ来るぞ……」という期待感に完璧に答えてくれるネタ・演出両面でうまく「ハマった」ものでした。かなり好きです。