ミロクのダイアローグ⑦真昼の雛の集い
アタシたちは
アタシは、憧れの自由服で過ごす大学生に
おふたりの夢。
ずっと、ふたりで寄り添っていようよって、
そんな甘やかな、少年少女にだけ見える夢を。
初夏、色んな芽が吹いて日輪に
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★
「準社員契約を結ぶとね、年間二十万円弱の国民年金の支払いを免れて万歳なんだけど、
月彦さんがキラキラとした太陽みたいな笑顔で云う。
このヒトは、月と太陽を着替えることが出来るんだって思う。
陰にも陽にも変幻自在。
「さて、
アタシたちの
はぁ、回想が長過ぎて、アタシ、すっかりお腹が空いちゃったワ。
今日は日曜日か。お得なランチ・メニューは平日限定ですって!?
今度は平日に来る! 絶対!!
アタシはメニュー表を見ながら迷走していた。月彦さんと日芽子ちゃんは、単品の『ひなどりとエリンギの和風パスタ』をふたりでシェアするのですって。仲良しさんなんだから❤ そして、ドリンク・バーを単品で
「ちょっと待ってください。それ、セットで注文すると、お得になりますのに」
余計な御世話を焼いちゃった。冒頭でも申しましたとおり、アタシってば、コスメとヴィンテージのお洋服を買い過ぎて
「ミロクちゃん、教えてくださって、ありがとう。月彦くん、
さすが日芽子ちゃん。理解が早い御方には、更なるお得情報を教えちゃう。
「日芽子ちゃん、ドルチェは
月彦さんの眼光が一瞬、三日月の
「このジェラートにも、ドリンク・バーのセットは適用なの。ね、得した気持ちになりませんこと?」
こんなにもドルチェを
だって、
アタシ……、
ひとりで…………、
パスタとドリンクとサラダとスープとドルチェ。
なのに、同席の少年少女の注文が、半人前のパスタとドリンクだけって、アタシばっかり
「それは名案だ。日芽子さん、ドルチェを頼もう。ヴァニラとチョコとストロベリィ、どれにしようか?」
月彦さんと日芽子ちゃんは、掌サイズのドルチェもシェアされるのね。少食の方々ってエンゲル係数が少なそうで羨ましいワ。
日芽子ちゃんが月彦さんの
パウダールームに行くのですって。聴こえちゃった。
「日芽子ちゃん、ひとりで大丈夫? アタシ、ご一緒するほうがいい?」
「ひとりで大丈夫よ。ありがとう」
再び月彦さんの鋭い眼光に刺される。
日芽子ちゃんが、てくてくとパウダールームに消えてしまうと、月彦さんが、すかさず何かを制止する勢いで云う。
「ミロクちゃん、いつから僕の彼女をそんなに馴れ馴れしく呼んでいるのサ!? 僕だって未だに日芽子ちゃんって呼べないでいるのに」
『ミロクのダイアローグ⑧雛の夢と、めざめ』へ、つゞく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。