第128話 ヴァン伯爵とリュース公

いつものように開催される 黒の王達が主催する宴


宴には ほぼ恒例となった 毎度のエリンシアの羽琴の演奏ある

複雑な形をした羽琴 その琴を操る者はとても少ない

心地よい素晴らしい演奏の後


大貴族の一人と通り過ごしに 軽くぶつかった

「おや これは失礼」「とんでもない こちらこそ・・あ、ヴァン伯爵」


「これは 白の国の羽琴の姫君・・エリンシア姫」

緩いウエーブのかかった黒の髪肩程に切りそろえた黒い瞳の持ち主 

アリアン王妃 黒の王妃の生家 その所縁ある家柄だった。


黒いローブの服 首元の服はU型で 着飾りの文様の入った服がラインのロープに縁どられて 

腰のあたりで勝首元と同じのその上から ベルトかわりに縛って結んでいる

真金色の中の入た同じような細き金縁の細く入る紫色のルーブを 肩からななめに横かけていたのだった。


「最近は 時間も出来て またこの宴に出れましたよ 姫

貴方の演奏は いつも楽しみです」ヴァン伯爵

「有難うございます ヴァン伯爵さま」


「では 向こうにいる大貴族の中の友人が待ってますので また

次回の宴を楽しみしております 姫」

彼は向こうの人だかりの中に入りに行った


ヴァン伯爵

リュース公は あの人に気をつけなさいと言っていた 

その言葉を思い出すエリンシア


すると今度は・・

その本人 リュース公がエリンシアの元に


「これは リュース公様 アルテイア姫はお元気ですか?」エリンシア

「ええ、元気ですよ 最近は魔法や剣の腕もメキメキと腕を上げてますよ

特に 水の魔法が素晴らしい…いや、これは 私も親バカですね」リュース公


「そんな事はありませんわ こちらの王宮で滞在されたときに見せてくれた

水の魔法は素晴らしいものでした」エリンシア

「どんな 魔法でしたか?」リュース公


「水を空中に浮かせて その水が蛇のように くねくねと動いたり

水が 丸い輪になったりしてましたわ」エリンシア


「ああ、あれですね 

ところで 姫 先程 ヴァン伯爵と御話されてましたが?」

柔和な笑みを浮かべてリュース公が問いかける


「いえ、肩が軽くぶつかっただけで・・それから 私の演奏を褒めていただいた後

お友達の方に行かれました」エリンシア

「なるほど」


小声で エリンシアは問う

「本当にあの方は 危険な方なのですの?」エリンシア


「ええ・・危険ですよ」微笑みながら そう話すリュース公 

だが、その瞳は真剣なまなざし


「また 黒の王の許可が頂ければ 私の城に 遊びに来てくだっさい アルテイア姫も

楽しみに待ってますよ それから 羽琴の演奏は相変わらず 素晴らしかったです

有難う エリンシア姫」リュース公


「ではまた 黒の王に要件があるので・・」

そう言って微笑して立ち去ったリュース公リジャイアヌスを見送るエリンシア姫


立ち話の後でリュース公は娘アルテイシアとの会話を思い出す


「うふふ いいわ エリンシア姫なら 私は義母、母上と呼んでもいいわよ御父様

御父様は 好きみたいだもの 私もよ」アル アルテイシア


後にリュース公リジャイアヌスは 

この時エリンシアを自分の城に連れてゆけば良かったと後悔する事となった

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