第127話 テインタル王女(テイ)の淡い初恋

「ねえ エリンシア姫は好きな御方がいるの?」

テインタル王女との白の国の歴史などの勉強の後の

二人だけのお茶会の時の事


「最近 なんだか エリンシア姫は変わったわ 時々、うわの空で 恋する人の目になっている」


「まあ、王女様たら そんな事はありませんわ!」


まだ幼い少女であるテインタル王女に見抜かれるとは

黒の王妃にも気がつかれたら どうしょうか

一瞬 戸惑いの顔になるエリンシアに 悪い事を聞いたのかしら?と幼いながらも王女は思い話題を変える


「私ね‥好きな御方がいるの・・」


「え?」


「異母兄妹である私の兄 黒の王子アーシュラン兄さま」

ふっふふと頬を赤くして答える


「知ってる? 

血の濃さを重んじる黒の王族は 異母兄妹 婚姻は可能で許されるの」

「早く、戻って来てほしいわ

お母様は アーシュランお兄様の事を嫌ってるけれど」


「じゃあ そろそろ 部屋に帰ります 

今日は有難うございます エリンシア姫様」

ぺこりと頭を下げて 王女は部屋に戻っていった


あのテインタル王女が恋


しかも初恋が兄とは・・まあ 兄妹同士の婚姻が可能と言うなら

それはそれで 良いかも知れない


同じ不思議な焔の色の瞳を持つ 兄妹


確かに 黒の王子アーシュランは 

まだ幼いながらキリリっとした美男子だった


少々 吊り上がった

印象的な あの焔の瞳


あの黒の王妃の美貌を受け継いだ 

テインタル王女なら 美しい一対になるだろう


しかし黒の王妃は間違いなく猛反対するだろうが


そんな事をエリンシアは考えた

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