第92話 思い出(解放の時刻(カクヨム内)外伝)

黒の国、王宮の庭園の中の東屋

そこで昔話をしている4人、小鳥が愛らしい声を奏で、花々は咲き

穏やかな時間が過ぎていた。

「あの時の戦闘、セルト将軍とアーシュ様の戦いは見事でしたね」

リュース公リジャイアヌスはそう言って微笑む


緩やかなウエーブ、波打つ金髪、敵国だった白の国、相貌の特色を強く受け継いだ

リュース公リジャイアヌス

美しい美貌に笑みを浮かべて、自分の主、黒の王アーシュに微笑みかけた。


「そうね御父様」娘のアル、アルテイシアは微笑む


「エイル様達は 私のアル?」リュース公リジャイアヌス

「間もなく来るわよ エイルにリアン殿、ナーリン女官長、わん子さんも」アル


「アーシュ様のお手製のケーキと焼き菓子は最高ね

「今回のチョコケーキ、中にサクランボが入って美味しいわ」アル

「誠に素晴らしい味です」リジャイアヌス・リュース公


「喜んでくれて嬉しいよリュース公、アル」アーシュ

「塩味のポテトの味は」アーシュは今度は竜人のセルト将軍に話しかける


「誠に美味です主、私は甘い物はちょっと、すいません」

竜人セルト、思い出話に戸惑いつつ答える

再び、リュース公の方を見れるアーシュ


『本当に綺麗だな、‥性別が変わる前は父王の寵姫になるはずだった者リジャイアヌス』‥アーシュはそんな事を考えてしまう


「俺はその時の事、思い出を全く覚えてないが」アーシュ

「ふふっ」彼リュース公リジャイアヌスが笑う

「今のアーシュ様は当時の記憶を失いましたから、

でも、あの頃と同じ少年の姿で不思議な想いもしますね」リュース公


もう一人の当事者口下手で僕得な今は将軍となった竜人

龍の姿をしたセルトは戸惑った顔をしている。


その昔、敵に捕らわれて魔法の首輪をつけられて、セルトの意識はなく

長く敵の手駒として敵対していた龍人のセルト

彼は魔法は使えないが、幾つもの戦いでこちら側、味方の城や砦が陥落したという


「あの頃、巨人族にこの国を奪われて‥黒の国を取り戻すのに必死でしたね」

リュース公


「自分の本来の守護者、神に与えられたセルト殿

セルト将軍を救いたいとそればかり言われてましたから

ですが‥セルト将軍は」リュース公

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る