第88話 二人の姫の涙

その頃 

黒の王宮の広い庭 花のアーチをくぐった先

そこにはまわりに一面の白い綺麗な花々が広がる


池の中の橋のかかった小さな東屋には

お茶とお菓子を片手に エイルとアルテイシア姫が楽し気に談笑していた


「ナーリンが留守なのは 残念ね」

「ちょっと 要件があるって 出かけたよ 明日の朝には戻ってくるよ」


「夕方頃 雨が降るらしいよ 今晩は泊まっていくアルテイア?」


「あら そうなの じゃあ 泊まってゆくわ 

黒の王宮には 私と父のリュース公専用の部屋もあるし


その部屋には ちゃんと寝間着も着替えも沢山あるから

お父様には 魔法の伝書鳩でも使って連絡するわ」


二人が話をしている最中に

橋を渡り 二人の元に来たアーシュとリアンとリュース公の三人


「あら お父様!それにアーシュ様にリアン殿」弾んだ声でアルテイシア


「アーシュ リアン兄様 それにリュース公様」微笑むエイル


「今 御席の椅子と お茶を用意させますね ご一緒にどうぞ」


「有難う エイル これをお前が欲しがっていた物だ」

アーシュから 小さな絵を受け取るエイル


「アーシュ・・これ・・」驚き 瞳を大きく開きアーシュを見るエイル


「何?何?」好奇心からアルテイシアは小さな絵を

 エイルの手にある絵を覗き込む


「・・ん・・絵の中の赤毛の小さな女の子‥白い羽・・リュース家の縁の子?

いえ、違う この赤毛は 多分 巨人族

それにこの顔・・そうだわエリンシア姫に似ている」

不思議そうな顔をするアルテイア


「・・アーシュ」何かを感じ取り不安そうなエイル

それに何故 アルテイシアがいる前で この小さな絵を手渡したのか


アーシュは一瞬 瞳を閉じ 再び開ける


「話がある 

二人とも 落ち着いて聞いてくれ」ゆっくりと‥話を始めたアーシュ


青い空がどこまでも広がり 木々には 小鳥がとまり さえずる

池のまわりの白い花々には蝶が数多く飛び交う


心地よい春風が吹き渡る


そして 夕方 黄昏の時間 雨が降る

エルトニアとアルテイシア・・二人の姫が流す 涙のように・・


FIN


※関連作品 雪花祭り

イラストなど 途中まで漫画として描いてました^^;

お好みに絵が合わなければ御容赦を・・ご拝読 感謝申し上げます ペコリ


ナーリン https://www.pixiv.net/artworks/68810374

アーシュ着替え https://www.pixiv.net/artworks/68810890

半裸のテイ https://www.pixiv.net/artworks/68593208

捕まったエイルとナーリン https://www.pixiv.net/artworks/2317554

★水晶玉(ナーリンが入ってる)とエイル

https://www.pixiv.net/artworks/68730915

岩の巨人とにらみ合い アーシュ

https://www.pixiv.net/artworks/960077

飛び跳ね 岩の巨人とhttps://www.pixiv.net/artworks/68816482

★アルの胸のお肉 邪魔なおむねの肉に挟まれて・・

https://www.pixiv.net/artworks/3020819

テイhttps://www.pixiv.net/artworks/68764535


変装中のアルの御尻? https://www.pixiv.net/artworks/68790449

テイの独白 https://www.pixiv.net/artworks/68904860

テイの独白2 https://www.pixiv.net/artworks/68763762

泣くエイル https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9631090#43

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